パチンコ確変ループでファンを魅了…初代『CR機動新撰組萌えよ剣』を振り返る
パチンコ業界にも多大な貢献をしてもらっているマンガ家・高橋留美子がアメリカのコミック業界でもっとも権威のある賞として知られる「ハーベイ賞」において殿堂入りを果たした。
昨年の手塚治虫に続いての快挙にマンガ界は大盛りあがりであるが、高橋留美子の活躍はマンガだけに留まらない。デザインやイラストなどを手がけることもあり、こちらもパチンコに深く関わりのあるコンテンツが存在する。『CR機動新撰組萌えよ剣』である。
タイトルのように新選組をモチーフにしたゲームソフトとのタイアップ機で、原作・総監督に「天外魔境」や「サクラ大戦」を手がけた広井王子、BGMは「桃鉄」シリーズの池毅が務めるなど、豪華な座組によるゲームタイトルとなっている。
次回大当りまで継続するループタイプの確変システムを採用しているが、突確や潜確を用いた多彩なモードを行き来するゲーム性となっており、さながらゲームのようなめくるめく展開を楽しむことができるのである。
特に突確には「電サポあり」と「電サポなし」の2つのパターンが用意されており、初当り時は後者が発動するのも特徴的。ただ突確当選時に移行する可能性のある「ミッションモード」滞在時は注意が必要となる。
ちなみに、通常時や時短後に移行する「天国荘モード」は天国という名称に引っ張られるかもしれないが通常確率の状態なのでここでヤメても特に問題はない。
一方の演出面では、予告などでストックされたキャラがリーチ発展時にチャンスアップで活躍する「新選組システム」、ロゴ役物が落下すればチャンスとなる「エンブレム予告」などパチンコ的な工夫も凝らされた内容となっている。
初代シリーズでは、大当り確率が1/345.5となるハイミドルと1/315.5のミドルタイプ、大当り確率が1/97.7の甘デジタイプが用意された。3機種とも確変突入率は60%である。
このようにスペック的には平凡ながら、スリリングなモード移行や演出の完成度の高さなどから支持を集め、スマッシュヒットの人気機種となった。
以降、『疾風怒濤編』『3』とシリーズ機が登場。シリーズを通して初代を色濃く踏襲したゲーム性だが、モード移行の部分では第2弾で潜確を見抜きやすくする、第3弾では濃厚モードを用意するなど、時代に合わせた変化が加えられている。
パチンコにも結局「初代」が最高と評価される機種が数あるが、本機もそのなかの一台といえよう。高い次元で完成されたハイクオリティなマシンに対し、いまでも絶賛の声が聞かれる。
(文=大森町男)
<著者プロフィール>
羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。
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