アノ名作が「爆裂出玉」でパチンコ化！全面液晶と巨大ギミックで演出も大迫力!!

　人間はイデオロギーによる対立を解消することができそうにない。「銀河英雄伝説」のように、人類が宇宙へ飛び出していってもこの不毛な争いは途絶えそうにない。そう思わされる人も多いだろう。

「銀河英雄伝説」は、独裁政権の社会主義的陣営である「銀河帝国」とその帝国から脱出し共和主義国を誕生させた「自由惑星同盟」による戦いを描いたSF小説となる。原作の小説はシリーズ累計1500万部を超える大ベストセラー作品である。

　本作はアニメ化もされており、現在でも「原作の再アニメ」を謳う新たなシリーズがテレビ放映や映画公開され、大きな人気を誇っている。パチンコとしては、2007年に平和が製造・販売を手掛けた『CR銀河英雄伝説』がある。

　大当り確率が1/399.6のマックスタイプで確変突入率70％、右打ち中の大当りはすべて15ラウンドと強力な出玉性能を装備したマシンとなっている。確変システムはループタイプで、大当り後に時短100回転が付与される王道なスペックだ。

　ただ、スタートチャッカーと電チューの入賞による振り分けがそれぞれ独立しており、通常時は20％の突確割合が右打ち中では0％になっている特徴があり、連チャンでの出玉感を最大出力にアップさせる爆裂仕様となる。

■演出も注目。原作の「中立な視点」をゲーム性に落とし込んでいる。

　一方、演出面では壮大なデジタルアクションを最大限に楽しむことができる全面液晶機「SS」として登場。SSとはSuper ScreenとSuper Soundのダブルミーニングになり、20インチの超美麗大画面と迫力のウーハーサウンドによってゲーム性を格段に向上させるのである。

　もうひとつ、演出面での特徴的な機能としては、デジタルアクションが「帝国軍」と「同盟軍」の2つのステージをランダムに行き来しながら展開する点になる。それぞれで発生するリーチも変化。原作の「中立な視点」をゲーム性に落とし込んでいる。

「レグニツァの戦いリーチ」など、ステージ独自の激アツ演出が用意されているのはもちろん、同じ「告白リーチ」を帝国軍ステージと同盟軍ステージのそれぞれのバージョンで展開する演出などもある。

　また、ステージ共通の演出として用いられている「トールハンマーリーチ」にも注目。インパクト絶大の役物と連動する迫力ある演出は一見の価値あり。原作ファンでなくとも引き込まれること請け合いである。

　原作の世界観を見事に再現した演出とパワーのあるスペックで一定の支持は得られたものの同社からのシリーズ化には至らず、後年にエース電研からタイアップマシンが登場する。しかし、こちらもシリーズ展開はされなかった。

　パチスロ版もそうなのだが、コンテンツの人気や知名度に比較すると「期待に応えられなかった」印象の機種となる。どうやらパチンコ・パチスロに適さなかったらしい。「マシンの歴史がまた1ページ」とはならなかった。不遇パチンココンテンツのひとつである。

（文=大森町男）
<著者プロフィール>
羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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