パチンコ「前触れもなく突然に訪れる大当りと強烈な電子音に大興奮!!~地元J店でのデジパチの思い出~」【アニマルかつみの銀玉回顧録 Vol.008】
【アニマルかつみの銀玉回顧録 Vol.008】
うちから至近の駅前J店で始まった、我がパチンコ生活。当初は、『ファクトリー』をはじめとする多種多彩なハネモノを朝から晩まで嗜む。そんな日々を送っていた。
が、慣れとは恐ろしいものである。ものの1ヶ月くらいが経つと、さらなる刺激を求め、「超特電機」と呼ばれたデジパチに、ちょいちょい手を出すようになった。
今回は、当時のJ店にあったデジパチの中で、とりわけ印象に残った2機種について、綴ってみたい。
■レーザースペーシー(平和)
デジパチの図柄表示装置といえば、スロットマシンを模したドラム(リール)か、シンプルな7セグデジタルしかなかった当時、最先端のアイテムである多層発光板を搭載した画期的なマシン。
発光板は「7」、「B」、「A」、「R」、「オレンジ」、「ブドウ」、「チェリー」の7図柄分があり、それらを重ねて発光させることで、計11種類の図柄を表示する仕組みとなっていた。
近年、複数の液晶画面を重ねて奥行きのある映像を表示するのが主流となっているが、そのルーツともいえる当時としては非常に先進的な図柄表示装置だったのである。
大当りとなる組み合わせは、「7」、「BAR」、「オレンジ」、「ブドウ」、「チェリー」のゾロ目。「B」などそれ以外の図柄が3つ揃うと小当たりとなった。
ヘソ始動チャッカーの賞球数や大当り時のアタッカー開放時間の違いで、『レーザースペーシー』、『~7』、『~B』、『エクサ』のシリーズ4機種があったが、大当り確率は一律266.5分の1だった。
記憶が正しければJ店に設置されていたのは、当時でも珍しかったヘソの戻し1個の『~B』だったと思う。
いつも客付きが悪くシマには閑古鳥が鳴いていたが、カラフルで幻想的なデジタルに惹かれ、仕様もスペックも知らぬまま打ってみた。ところが、ヘソに入っても1個しか戻ってこず、あれよあれよという間に玉が減ってゆく。
古そうな台だから、きっと故障なんだろう。そう思って店員を呼んだ。鍵束をジャラジャラさせながらやってきた店員は、苦笑いしながらこういった。
「兄ちゃん、悪いな。これは、そういう台なんや」
釈然とせぬまま打ち続けたのだが、先述のとおり1個戻しゆえにお金を遣うスピードも半端なく、早々に撤退。以来、J店で打つことはなかった。
「クギが開いていれば打ちっぱなしにして常に保留を3~4個の状態にし、ストップボタンを使ってデジタルを即止めすることで時間あたりの回転率=日当を上げる」という効率的な打ち方があることを知ったのは、それから数年後のことである。
■ニュービッグセブンpart4(大一)
図柄表示に初めてドット・マトリクスを用いた歴史的名機。電光掲示板のように上から下へ流れる数字のスピーディーかつスリリングな動きは「デジスロ」と呼ばれ、多くのプレイヤーを興奮させ全国的に大ヒット。デジパチの新たな時代を切り拓いた。
大当り図柄は、「1」~「9」までの数字のゾロ目と、メーカー名である「大一」を縦に並べた図柄の三つ揃い。これら10種類の図柄に他に3種類のハズレ図柄(「0」と、「0」の真ん中に「・」や「:」があるもの)があり、大当り確率は236.6分の1(図柄の組み合わせ数に基づく数値)だった。
何を隠そう、当時のJ店にあったデジパチでいちばん面白く感じ、いちばんハマったのが、このマシンである。
最大の魅力は、先に述べたとおり斬新かつ画期的なドット・マトリクスによるスピード感溢れるデジタルアクションと、何の前触れもなく突然に訪れる大当り、そして…その刹那のショッキングすぎる演出。
そもそも当時のデジパチには、「来るかも知れないよー」的な前兆とかリーチ演出の類いは、一切無かった。本作も例外ではなかった。
リーチ演出が無くても、例えばドラム式なら、パチスロで目押しをするように直視で絵柄を追えば、なんとなく図柄が揃うかもしれないという心構えもできた。7セグ式についても、慣れてくればセグを凝視することで大方の予想が付く。なぜなら、図柄が規則的に配置されていたからだ。
ところが本作には、至極のスリルを演出するためのトラップが仕掛けられていた。図柄配列が左・中・右いずれも、覚えるにもかなり面倒臭いくらいに不規則だったのである。
デジタルは、左→中→右の順に、それぞれ2~3コマ手前からスローダウンして停止する。なので、そのスローになる瞬間を目で追えばどの図柄が停止するかはわかる。ただし、その不規則すぎる配列を完璧に記憶していれば…の話。
生来の面倒くさがりで、なおかつデジパチ初心者だった自分が、そんなことを出来るわけがなかろう。なので、いつも大当りは「突然に訪れる」のである。
…で、だ。ただ揃うだけなら、「…あっ、ラッキー♫」で済む。この機種の何が凄いかと言ったら、「…あ、揃った♫」と認識した瞬間からコンマ数秒の刹那を置いて、「ピリピリピリピリピリピリピリー!!」と、それはもう耳と心臓に悪すぎる甲高い電子音が鳴り響くのである。
ヤラれた。完全に、ヤラれた。他にも色々、名機といわれるデジパチはあったが、これほどまでに大当りの瞬間を刺激的に演出してくれるマシンは、少なくともその時点では無かった。
以来、本作と本作のゲーム性を受け継いだ大一のドット式デジパチを、ことあるごとに追いかけるのであった。
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