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パチンコ「魂を揺さぶられる」至高の1台!「2万発」も珍しくない「スペシャル」な完成度!!【羽根物・名機列伝】

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「スペシャルルート」は、これくらい魂を揺さぶられないとスペシャルルートを名乗る資格はない。

 2002年にダイドーから登場した『スペースガール』は、UFOを模した役物が羽根入賞直下に搭載され、そのUFOの操縦席の前に仕掛けられたアームにキャッチされると大チャンス。アームの下で左右に動くVゾーンのタイミングが合う瞬間に玉がリリースされると大当りとなる。

 これがV入賞の王道パターンで、アームに玉がキャッチされてもVを逸することがもちろんあるのだが、玉がアームで静止した時から解き放たれるまでの1、2秒の詰まりそうな緊張感と緊迫感、当りを隣に感じられる期待感と高揚感は、生死を分ける切迫さがあり、ハズれた時の解放がある。

 そして、当然ではあるが、玉がVゾーンに吸い込まれる瞬間が最高に気持ちいい。特に、Vが正対したタイミングで入賞し、スポンとV穴に消えていく光景は、バスケットボールがリングに触れずにパサッと入るような感覚にも似た恍惚感がある。

 クルーンなどもそうであるが、パチンコ玉が当り穴に入る瞬間はなぜあんなに爽快であり痛快なのであろうか。何物にも代えがたいパチンコならではの愉悦である。

 このように、本機はパチンコにおける「大当りの瞬間」のすべてを雄弁に物語っているので、その後のことがどうでもよくなってしまうのだが、これがそうもいっていられないスペックなのである。

 この機種は大当りラウンドの振り分けが2と15しかないのだ。つまり、いっぱい出るか全然出ないか。2Rであっても一応自力継続するようにはなっているが、「外れるタイミングでVゾーンの再始動とかリリースタイミングが決まってるんじゃねーか!?」と訝しむほど継続しなかったような記憶がある。

 また、ラウンド振り分けもそんな極端なものではなく、6:4ほどで2Rがわずかに高いくらいだと思ったが、変にどちらかに偏ることがままあった。

 15ラウンドを連打すれば短時間で2、3000発は充分に狙えるし、無制限の店で1万発や2万発くらいの出玉を幾度となく見たものである。

ちなみに、2R当選時は必ず1ラウンド終了後にもう一度ラウンド抽選が発生する機能が搭載され、15ラウンドへの昇格も期待できるのではあるが、昇格率はそれほど高かったような印象はない。

 ただ、初当り時の抽選にはいくつかパターンがあり、ドットに出現するUFOに書かれた数字がすべて「15」になるプレミアムパターンが発生した時は悶絶である。

 しかし、伸るか反るかの出玉性能に惹かれたわけではなく、単純に役物・羽根物の面白さゆえにお気に入りの推し台として、好んでよく打ったものだ。

 ちなみに、本編ではアームチャッチからの王道パターンを熱く語ったが、それ以外のイレギュラーパターンも多彩で、完成度の高い一台となっているのである。

(文=大森町男)

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