パチンコ「因果」な機種名!?「4thリール」が回れば「傑作」が生まれる
日韓ワールドカップがもう20年近く前の出来事であると知って驚いた。ドーハの悲劇やJリーグ開幕からサッカーにのめり込みだしたまあまあの「にわか」であったが、そこからでも10年近い月日が流れての2002年である。
当然一生に一度のお祭りを生で観たいとチケットに応募したが、カメルーンvsサウジアラビアといういぶし銀にもほどがあるカードを埼玉スタジアムまで観戦しにいった結果が1-0というまあまあの塩試合だったのも良い思い出である。カメルーンはエトーやエムボマ、ウォメ、ジェレミ・ヌジダップ、ソングがスタメンを飾るタレント揃いのチームであった。
そんな2002年に登場したドラム機に『CR牙王』という機種がある。従来のドラムとその上に搭載された横スクロールの4thリールによって演出表現力が大幅にアップしたマシンとなっている。
4thリールといえば、パチスロの『大花火』を連想させるが、絵柄がカバ・ダチョウ・ゾウ・ライオンともう『獣王』なのである。なるほど、パチスロを強く意識した一台となっているのである。……、パチスロで牙王? なんかきな臭い雰囲気が漂い始めた気がしないだろうか。
まあ昔話である。あるメーカーから『◯◯牙王』というタイトルの機種がリリースされる予定であった。現役の三役最上位力士をCMに起用するなど熱の入ったプロモーションを展開していたが、なんとホールやマスコミに向けた展示会の最中に発売中止が発表されるという空前絶後の大事件が発生したのである。
この出来事が起きたのも2002年。この年は公私にわたって印象深い年となったのである。ちなみにパチスロは「キバオウ」、パチンコは「ガオウ」で、ライオンの咆哮に掛けているのである。知らんけど。
さて、『CR牙王』。本機の特徴となる4thリールは停止図柄と発展リーチがリンクした機能や予告として変動するほど期待度が高くなるなど、演出の中心となっている。見かけはパチスロ的な要素が印象づけられるが、中身はベタとも言えそうなほどパチンコパチンコしたものとなっている。
もちろん、ドラム機として過不足なく面白い。スペックは確変1/2、次回までという「99年基準機」定番タイプであるが、当時すでにドラムマシンはマイノリティであったので、私は好んで打っていたのである。
なので、私のような好事家だけに支持されていたのかと思いきや、意外にも後継機『CR猛烈牙王』が登場するなど、わりと人気を博していたようなのである。その人気の証明なのか、2012年にリリースされた『CRくるくるぱちんこダルマッシュ』には、この『牙王』をモチーフにしたリーチ演出が存在するのである。
『ダルマッシュ』に搭載されているセルフパロディリーチは他にもあって、その元ネタが『エキサイト』と『ミルキーバー』であることを考えると、ニューギン自身は本機に大きなリスペクトを持っているようである。どうした、ニューギン。
(文=大森町男)
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