パチンコ「保留」を「大当りフラグ」に強制変換!? 受け継がれる「伝説の連チャン」…出玉と視覚で魅了した「激熱ジャンル」の復活を期待!!

　どうしてドラム機はこんなに廃れてしまったのだろうか。もう四半世紀も前からパチンコは液晶で、それを否定するつもりはまったくないし、アナログと呼ばれる羽根物や権利物の役物機も、それはかつての勢いには到底及ばないものの、わりと継続的に市場へ顔だしているではないか。

　同じ土俵にいるはずの7セグは『J-RUSH』や『パトラッシュ』のような主役はもとより、先に述べた役物機でも活躍しているし、『戦国コレクション』とか『 FAIRY TAIL2』とかのサブ表示で使われたりなど、地味に生き延びている。『D-CLOCK』といった変則スペックも7セグご用達である。

　それなのにドラム機といえば完全に『フィーバークイーン』と『ドラム海』にその生命線を任せきり。2019年はドラムの当り年で、『マッハGOGOGO』『ドラムゴルゴ』『おそ松さん～おうまは最高！～』『どらむヱヴァンゲリヲン』と続々とリリースされたが、ここをピークにドラム機がほとんど死に体となったのである。

　その2019年のピークを振り返ってみれば既存コンテンツをドラム機化したものばかり。シュリンクする業界規模によって潤沢な開発費を用意できないメーカーがとりあえず安く作ったような機種ばかりではないか。

　これは町男による一方的な偏見と独断と、ドラムを愛してやまない私にとって辛すぎる現状への逃避の見解であるが、去年出たドラム機が『PAドラム海物語IN JAPAN』や『P炎のドラム魂GA』くらいだった私の気持ちも汲み取ってほしいものである。

　なんてことを『CRエキサイトジャックHK』を打ちながら考えていた。ニューギンのレジェンドシリーズ第1弾として登場した本機。数珠連チャンを8回転のSTに変換し、当時の興奮を味わえるようなゲーム性となっている。

　ST中はリーチが発生すれば大チャンスとなり、1/11で保留の書き換えが行われていた初代のゲーム性に想いを馳せながらプレイできるのである。それにしても保留2個目から4個目まで全部大当りに変換し、4連チャン確定となるシステムとか時代がおおらかすぎて笑ってしまう。

　本機の場合は、8回のST後に32回or92回時短に移行し、そこである程度の連チャン力を担保。それぞれの引き戻し率は32回が約28％で92回なら約60％となっている。そこにSTによる約40％のループ率が加わるので、トータルの連チャン期待度はなかなかのモノである。

　また、1200発の15ラウンドが10％、800発の10ラウンドが20％と出玉感も充分に兼ね備えたスペックとなっているので、遊びやすさのなかにも出玉を期待できる「初代」の遺伝子が受け継がれていた機種となっているのである。

　初代の遺伝子といえば、予告のないシンプルな演出で初代を彷彿させる「クラシックモード」も搭載され、より当時の雰囲気を楽しめる工夫がなされている。それと同時にあらゆる場面で大当りの告知をする「MY JACK」と呼ばれる告知ランプを搭載し、新たな楽しみ方を提供。打っている人にしかわからないこのひっそり告知は意外とクセになる。

　2016年の本機の登場から『フィーバークイーン』の双璧をなすこの『エキサイトジャック』の名が途絶えているのは寂しい限りである。『エキサイトジャック』はもちろん、ニューギンのドラムでドラム機の面白さを知った人間としては、ニューギンにドラム機作りをがんばってほしいものである。

（文=大森町男）

<著者プロフィール>

　羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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