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パチンコ「遊タイム情報」公開端末は順調も…業界の大手が「減収減益」を発表

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 パチンコホール向けコンピューターシステムの開発・製造・販売、パチンコ遊技機の表示・制御ユニット及びパチスロ遊技機の開発・製造・販売等を手掛けるダイコク電機(東証・名証1部:6430)は5月13日、2021年3月期の連結決算を発表した。

 これによると、売上高は前期比29.4%減の232億2,800万円で、営業利益は4億9,000万円、経常利益は9億8,600万円、純利益は6億1,200万円。いずれも3月公表の予想値を上回ったものの、減収減益となった。

 ちなみに、前期の売上高は329億2,200万円で、営業利益は14億3,100万円、経常利益は16億7,400万円、純利益は10億6,100万円だった。

 当期における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の停滞や縮小。それにより景気は急速に悪化し、2021年1月には2回目の緊急事態宣言が発出。依然として先行き不透明な状況が続いている。

 パチンコ業界は、2020年4月に休業や時短営業を実施。同年7月以降は前年同月比約80%まで回復したものの、本格的な稼働の回復にはしばらく時短を要すると思われる。

 遊技機市場における新規則機の入れ替え状況については、2020年5月に改正遊技機規則の設置期限の一部が延長されたことで、新規則機の購入に慎重な姿勢。パチンコ遊技機は複数のヒット機種の登場、「遊タイム」機能による新たなファン層獲得で進捗率は65%となったが、パチスロ遊技機は進捗率50%と低迷した。

 このような市場環境のもと、情報システム事業では、主要製品の販売は全連結会計年度を大きく下回ったものの、「遊タイム」機の情報をファンに分かりやすく伝える情報公開端末「REVOLA」や「IL-X3」の販売は「Web展示会&セミナー」での各種提案も奏功し、年末商戦以降、順調に推移。

 この動きに併せて「遊タイム」機のデータ管理を目的としたAIホールコンピューター「X(カイ)」のシステムアップ導入件数も前年同期比約90%まで進捗した。また、Web活用による旅費交通費の削減や開発内容の見直し、外注費の圧縮など徹底した削減にも努めた。

 この結果、当事業の売上高は174億6,200万円(前年同期比33.7%減)、セグメント利益は19億3,900万円(同37.5%減)となった。

 制御システム事業では、パチンコホールの稼働状況鈍化により、各遊技機メーカーでは新作タイトルの販売が延期され、市場全体のパチンコ遊技機販売台数は大きく減少。当事業においても商品販売は前期を上回ったものの、表示ユニット、制御ユニットの販売は下回った。

 この結果、当事業の売上高は57億7,500万円(前年同期比12.5%減)、セグメント損失1,500万円(前年同期はセグメント利益7,800万円)となった。

 次期の見通しとしては、情報システム事業はパチンコホールの業績がコロナ禍前の水準に回復することを最優先課題と捉え、パチンコホール経営企業の業績向上を実現するAIホールコンピューター「X(カイ)」の普及促進と、少人数のホールスタッフによるフロアオペレーションを可能とする経営支援サービスの実現を目指すとのこと。

 制御システム事業は大幅な組織再編のもと、開発管理の一層の強化と業務効率の向上による開発コストの低減を図ると共に、既存のパチンコ遊技機に加えてパチスロ遊技機の受託開発・製造による事業領域の拡大を推進するとした。

 次期の通期連結業務予想は、売上高は260億円(前年同期比11.9%増)、営業利益は8億5,000万円(同73.2%増)、経常利益は10億円(同1.3%増)、純利益は6億5,000万円(同6.1%増)を見込んでいる。

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