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パチンコ「禁断の右打ち」によって「怒り」が爆発!? 期待の新台入替が「修羅場」に…

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 ご老人は私が離れてからもひたすら右打ちを続行。延々と「左打ちに戻してください」という警告音が大きく鳴り響いていたことによって、同じ島にいた他のお客様の反応に徐々に変化が見え始めます。

 どの方も黙って耐えてくださっていた様子でしたが、ついに一人の若者が我慢の限界とばかりに行動に出ます。「ちょっと!いいかげんにしろよ!」と叫び、勢いよくご老人の元へ向かったのです。

 若者の顔は鬼の如く険しいものになっておりました。堪忍袋の緒が切れたという感じでしょうか。我慢を続けてきたからこそ、怒りも大きくなってしまっていたのかもしれません。今にも殴りかかりそうな勢いで問い詰めていたのでした。

「これはいかん!」と、私は慌てて止めに入りました。他のお客様からも「うるさくて集中できないぞ!なんとかしろ!」という声が飛び交っておりました。お客様方のご意見はもっともですが、ひとりではどうすることもできません。

 しかし、他のスタッフも別の対応で手一杯。困り果てた末に、私はホール責任者へ報告して助けを求めました。

 すると、「ごめん!こっちもホールコンピューターの故障で手が離せないから、店長になんとかしてもらって!休憩室で仮眠してると思うから!」という返答。徹夜明けで疲れ果てている店長を起こすのは気が引けて仕方がなかったですが、今はそんなことを気にしている場合ではありません。

 私は急いで休憩室で寝ている店長のもとへ向かい、叩き起こして事情を説明しました。「そんなトラブルあり得るか?」と笑っていましたが、切羽詰まった私の顔を見て状況を理解した様子。直ぐに着替えてご老人の対応へと向かったのです。

 相変わらず話が通じないので、私と店長は身振り手振りでご老人を静かな店外へと誘導。何かを伝えたいというコチラの意思が伝わったのか、ご老人はポケットから補聴器を取り出しました。それを耳に装着してからはスムーズに会話する事ができたのです。

 ホール内は騒がしいので、あえて耳に付けていなかったとの事。いずれにせよ、遊技方法を理解していなかった時点で、同じ過ちを冒してしまったのかもしれません。

 結局、ご老人は「最近の台は難しい」と言って『海物語』へと移動。楽しそうに横スクロールを眺めておりました。

 この方にとっては、最近の凝ったゲーム性の機種を理解するのは大変なのかもしれません。何も知らずに新台を打つことで、時に思わぬ修羅場が生まれてしまう。そんなこともあると身をもって体験したエピソードでした。

(文=ミリオン銀次)

<著者プロフィール>
 ホール店員・雀荘店員といった職種を経験。それらを活かし、ライターとして活動中。特に力を入れているのはパチンコ・パチスロ分野で、自身の遊技体験やホール店員時代のエピソードを中心にしたコラムを執筆している。パチンコ・パチスロ歴は10年以上で「打ちたい台をトコトン打つ」がモットー。結果として、目も当てられない大敗を多く経験。「悲惨なエピソードも明るく紹介したい」といった拘りを持つ。

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