甘デジ「高速で大当りが発生」する疾走感！「切れ味鋭い」連チャンも堪能!!

　6月頭にあった大量導入期には5機種もの甘デジが導入された。そんななかの一台となるのが高尾の『P学園黙示録ハイスクール・オブ・ザ・デッド2 弾丸88Ver.』である。本機はミドル版の同名タイトルをゲーム性そのままに甘デジへと移植した機種となる。

　原作は学園を舞台にゾンビがもたらすパンデミックの世界線を描いたパニック・サバイバルマンガといった様相のものだが、「オブ・ザ・デッド」の名前が示すようにジョージ・A・ロメロの影響も感じられる。

　学園モノでジョージ・A・ロメロといえば映画「桐島、部活やめるってよ」を思い出す。神木隆之介演じる映画部の前田が脚本を書いたゾンビ映画「生徒会・オブ・ザ・デッド」も本作に通じるものがあったりなかったりする。

「桐島」はキーパーソンが登場しないスタイルでも話題となったが、本機『P学園黙示録ハイスクール・オブ・ザ・デッド2 弾丸88Ver.』の主役はハッキリしている。初当りの約半分で突入する128回転の時短で構成される連チャンモード「奴RUSH」である。

　1種2種タイプの主要なRUSHのゲーム性である規定回転数で大当りを狙うST風のシステムではなく、右打ち中の大当り確率が約1/5.3という次回大当りが濃厚な次回ループタイプ。大当りの75％で時短が付与され、時短なしの25％を引くとRUSH終了となる。

　したがって、RUSH継続の成否は大当りラウンド中の演出で報知するが、告知タイミングの異なる2種類のモードを搭載し、先告知の「Survival」とラウンド中に告知する「Sexy Apocalypse」から選択できるようになっている。「冴子覚醒」なら継続が濃厚となる。

　また、「超H.O.T.D.BONUS」から継続濃厚となり、この昇格演出もラウンド中の見逃せない要素となっている。

　右打ち中の大当り確率が高いので次回ループのゲーム性ながら連チャンスピードに長けているのでループ率とあわせて一瞬の閃きをみせる瞬発力が持ち味となる。ミドルタイプと同様に変動開始から大当りまで平均43秒と驚異の速度で切れ味鋭い連チャンを楽しめる。

　ただ、最大ラウンドの出玉が約630発とそれほど多いものではないので、細かく繋いで出玉を積み上げるようなイメージとなるだろう。

　そして、通常確率で222回転を消化すると128回の電サポが発動する遊タイムも搭載。遊タイム＝奴RUSHとなるので大当り濃厚、しかも前述のように発動契機が浅く設定されているので、その性能はかなり強力なものとなっている。

　若干地味めなタイトルと設置の少なさからそれほど注目されていないが、なかなかやれる甘デジなのである。

（文=大森町男）

<著者プロフィール>

　羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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