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西陣が誇る名作を遊技中に事件?「なんとかしろよ、この野郎!」みたいな怒声がシマ中に…【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第24話:CR花満開】

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西陣が誇る名作を遊技中に事件?「なんとかしろよ、この野郎!」みたいな怒声がシマ中に…【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第24話:CR花満開】の画像1

ドラゴン広石コラム「第24話 CR花満開」

 先日、某新機種の取材で東上野に行く機会がありましてね。予定の時間より少し早く上野駅に到着したため、西陣さんの営業所を覗いてみることにしたんですよ。

 いや、もちろん冷やかしで入るわけじゃありません。廃業が決まった西陣さんの営業所が、閉鎖される前に写真に収めておきたいな…と、ただそれだけのことだったんですけどね。

西陣が誇る名作を遊技中に事件?「なんとかしろよ、この野郎!」みたいな怒声がシマ中に…【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第24話:CR花満開】の画像2 しかし、残念ながらこの日(3月8日)の朝9時45分頃に営業所の前を通ると、すでに入口のシャッターが降りてました。いやはや、おそらくは残務処理などで3月末までは営業所を開けてるんじゃないかと思ってたんですけど。

 まぁ、考えてみれば今さらショールームを開けておいても意味はないし、そもそも残務処理は営業所の入口を閉ざしていても中でできるわけで、当然といえば当然なのかもしれません。そんなわけで、とりあえず1枚だけ写真を撮影してその場を離れました。栄枯盛衰は世の常とはいえ、淋しいものですね。

 ところで、西陣さんの代表作といえば、なんといっても昭和末期から平成初期にかけての羽根モノ…と個人的に考えているのですが、もちろんデジパチにも数多くのヒット機種があります。その中でも、抜群の知名度を誇るのが『CR花満開』ですね。

西陣が誇る名作を遊技中に事件?「なんとかしろよ、この野郎!」みたいな怒声がシマ中に…【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第24話:CR花満開】の画像3
『CR花満開』は西陣のCR機第3弾として1993年に登場した。CR機がまだ色モノ扱いされていた当時、その大ヒットによってCR機の普及に大きく貢献。全15種類の大当り図柄のうち、3または7のゾロ目で当れば以後2回の確率変動(ループ式)に突入する。初当り時の確変突入率は見た目通りの15分の2だが、確変中は3・7当りの選択割合が15分の6に上昇するため、確変突入時の平均連チャン数は約5.4回となる。また、大当り終了後の保留玉1個目に連チャン性があり(約12%)、確変終了時の保1で確変を引き戻すこともめずらしくなかった。(写真は「パチンコ必勝ガイド Classic Vol.4/ガイドワークス刊」より)

 CR花満開の全盛期は、客付きが本当に半端なかったんです。設置店のシマには立ち見客が溢れるほど人だかりができ、誰かがヤメようものなら、回転率など関係なくすぐに台の取り合いが始まります。

 まぁ、当時は今のように千円で12~13回転といった酷い釘調整の台はなかったと思いますが、とりあえず打って2~3万負けたら諦める…みたいなスタンスの一般客が多かったように記憶しています。もちろん私もその例に漏れず、何日か負けてはたまに大勝ちする…を繰り返してたんですけどね。ある時、就業帰りに立ち寄ったホールで事件は起きました。

「なんとかしろよ、この野郎!」など客が一斉に反発

 当時は東日本がパッキーカード(日本レジャーカードシステム株式会社)、西日本がパニーカード(日本ゲームカード株式会社)と明確に区分されており、私が住んでいた大分県では全てのホールがパニーカードでした。

 ただね、この頃は今のようなチャージ式ではなく、テレカ等と同じ使い捨ての磁気カードだったため、常に販売元からカードを補充する必要があったんです。そして、たまたまその店の発注タイミングが遅れたのか、それとも他に何か理由があったのか不明ですが、カードが全て売り切れちゃう場面に遭遇しちゃいました。

 当時のパニーカードの額面は1万円、5千円、3千円、2千円、千円の5種類。お店ではCR機のシマに券売機を設置してたんですが、発券ボタンに全て「販売中止」のランプが点灯しましてね。

 このお店で扱っていたのは1万円と5千円の高額カードのみ。3千円以下のカードは常に売り切れ状態だったんですが(カード1枚あたりの取り扱い手数料が一律だったため、お店としては低額カードを販売すると損になる)、さすがに客付きのピークである夜7時過ぎにCR花満開の稼働を止めるわけにもいかず、店側は事務所の奥にしまっていたと思われる3千円のカードを券売機に補充しました。

 だけど、もともと用意していた枚数が少なかったのでしょう。3千円のカードは数分もせずに売り切れて、ついに店側も観念して次のような店内アナウンスを流しました。

「いらっしゃいませ、いらっしゃいませ。本日はご来店、誠にありがとうございます。宴も酣ではございますが、只今の時刻をもちまして、当店のパニーカードの在庫が尽きてしまいました。つきましては、CR花満開のシマは現在の持ち玉のみでのご遊技となりますことをご了承ください」

 このアナウンスにCR花満開のシマで打っていた客が一斉に反発しました。「なんだよ、負けさせるだけ負けさせてこれで終わりってか?」「まだ閉店まで3時間もあるじゃねえか、なんとかしろよ、この野郎!」…みたいな怒声がシマ中に飛び交ったんです。

 結局、店の奥からホールマネージャーさんらしき白服が出てきて、2千円と千円のパニーカードを手売りで販売し始めました。ただし、お一人さま合計1万円までと断って。それでもあっという間に売り切れたから凄い。

 そして、さすがにこれで完全に在庫のタマが尽きたのか、店側は以降の対応をしませんでした。この時、私も千円のパニーカードを何枚か買ったんですけど、幸いにも残り度数で大当りを引いて気分良くヤメることができました。収支的にはチョイ負けだけど、一方的に負けるより遥かにマシですからね。

 でもって、出玉を流して帰ろうとしたんですが(ラッキーナンバー制につき連続遊技できませんでした)、シマが何か妙な空気になっているのに気がつきました。さっきまで怒って騒いでた常連っぽい客も静かに打っている。なんでだ? この人たちだってパニーカードの残度数に不安があるだろうに、妙にお行儀が良くなっちゃってるよね…。

 今回のオチ。

 不思議に思っていたところ、その常連のツレと思われるお兄さんが、私とすれ違いに入口から入ってきて、何人かの仲間にパニーカードを配り始めました。自分は気になってずっとその様子を見てたんですが、どうやら額面通りの金額で売っている様子です。

 その瞬間に理解しました。このお兄さんは近くのパチンコ店に車を走らせ、そこでパニーカードをまとめ買いしてきたんですね。当時はハウスカードではなく、どこの店で購入したカードでも使えたから(数年後に店の受付機を通さなければ使えないように改良されましたが…)、たとえこの店でカードの在庫が切れたとしても、慌てず騒がず他のホールに行ってカードを買えば良かったってことなのね。

 気がついてみれば普通のことですが、私のような凡人は不測の事態に戸惑うと、正確な判断力が失われてしまうみたいです。まさにコロンブスの卵…的なエピソードでした。

ドラゴン広石

ドラゴン広石

ドラゴン広石(昭和38年12月生まれ)
平成7年に白夜書房「パチンコ必勝ガイド」編集部の門を叩き、パチスロの知識と経験、目押し力を買われて「パチスロ必勝ガイド」のライターに採用された。リアルタイムで「パチスロ0号機」を遊技した経験を持つ、唯一のパチスロライターである。令和4年現在でライター歴は27年。代表作に「枠上人生」、「浮草家計簿」(連載中)、「回胴絶景」(連載中)など。1日の最大勝ち額~プラス41万3千円(クラブロデオT)、1日の最大負け額~マイナス12万9千円(初代・北斗の拳)。

Twitter:@dragon_hiroishi

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