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パチンコ「世界進出」着々…… 「パチンコ店」「メーカー」業界全体の「カジノ」進出から予想されるパチンコの未来

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 最盛期の平成7年頃は1万8000店舗以上も存在していたパチンコ店。だが、度重なる出玉規制により、店舗数は年々減少。現在は全盛期の約1/2に当たる9600店舗と縮小し続けている状況だ。

 実際、大幅に抑制された出玉規制「5.5号機」「5.9号機」、そして今月から施行された「6号機」の開始に伴い、閉店や倒産が目立つパチンコホール。「東京商工リサーチ」によれば、2017年の間で負債額1000万円を超えるパチンコ店の倒産数は、前年度から17件増の29件に及んだという。更なる衰退が見込まれる。

 そんな状況を危惧した大手パチンコホールチェーンは、新たな戦略を打ち立てているようだ。業界専門誌「遊技通信」(遊技通信社)2月号でその詳細が記載されている。

 記事によれば、大手パチンコホール「ベガスベガス」は国内市場の縮小を踏まえ、生き残り戦略として昨年12月、ベトナムにカジノ施設をオープン。今後も世界各地で展開させていく方針で、さらなる事業拡大も検討しているという。また、業界最大手「ダイナム」はマカオでのギャンブルビジネス進出を検討しているとのことだ。

 そんなパチンコホールの海外事業進出が目立つ一方、パチンコメーカーもカジノ事業へ着手していることは有名な話だろう。

 メーカー最大手ユニバーサルエンターテインメントは以前からフィリピン・マニラにてカジノ運営を行っており、2019年までには大規模IR『Okada Manila』を完成させる予定だ。また、同じく大手メーカーセガサミーは2012年から統合型リゾート施設(IR)『パラダイスシティ』を韓国パラダイス社と共に開始している。

 パチンコホールだけはなく遊技機メーカーもカジノ進出を果たすなど、業界全体で活発化する海外事業。年々厳しくなる出玉規制を踏まえると海外へシフトしていくのは当然の流れだ。

 そしてこの流れが加速することで予想されるのは、「パチンコ機」の海外進出である。

「すでにパチンコは海外のカジノや娯楽施設で導入されているようですが、業界の動きを見ていると全世界で普及させるつもり。特に、パチスロはカジノに存在しているスロット機と類似していますから外国人にも親しみやすいでしょう。そしてカジノのスロットマシンより面白いはず。レバーを叩いて”自動で止まる”カジノマシンとは違い、”自分で止める”という楽しみがありますからね。実際、パチンコ・パチスロに興味を持つ外国の方は多いようですよ」(記者)

 昨年、アメリカ・ロサンゼルスで開催されたアニメイベント「ANIME EXPO 2017」ではパチスロ・パチスロブースが出典された。『海物語』『ジャグラー』などホールの代表機種が設置されたブースには行列ができるほど盛況だったようだ。アンケート調査によれば、「日本に来たらパチンコ・パチスロをやってみたい」という質問に対し91%の外国人が「はい」と回答。興味の高さがうかがえる結果となった。

 また現在設置されている機種によっては「バウリンガル対応」のパチンコ・パチスロも存在している。演出全てが日本語・英語・韓国語・中国語に対応しており、外国人でも楽しめる設計だ。

 日本独自の文化、そしてガラバゴス化しているパチンコ。果たして海外でも人気を得ることはできるだろうか。今後の普及次第では「世界共通」の遊びになりうるかもしれない。
(文=編集部)

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