パチンコ「出玉規制」も意外なメーカーが生き残る? 航空機「170機」所有「太陽光発電」までも扱うアノ人気メーカー
先月27日、大手パチンコメーカーSANKYOは平成30年3月期「業績予想」の上方修正を発表した。
今回発表した新たな業績予想は、売上高862億円(前回予想値840億円)、営業利益101億円(同40億円)、経常利益111億円(同50億円)、純利益55億円(同35億円)。上方修正の理由は、市場から大きな支持を得て販売台数が増加したことが主な要因としている。
その他メーカーでは、藤商事も同時期の業績予想を上方修正し、売上高は523億円(前回発表値比23億円増)、営業利益43億円(同18億円増)、経常利益37億円(同12億円増)、純利益23億円(同6億円増)と、不況を感じさせぬ数値を発表。どちらも遊技機事業の好調ぶりを示す結果となった。
しかし、当然ながら不安を感じさせるメーカーもある。
業界最大手セガサミーホールディングス(以下、サミー)は昨年12月、平成30年3期の通期連結業績予想を、売上高を3800億円から3300億円、営業利益を200億円から130億円へ、純利益を110億円から50億円へ下方修正したことを、同会社HP「通期業績予想の修正に関するお知らせ」にて発表。
同年11月の発表からわずか一ヶ月で大幅な下方修正。低迷が続くパチスロの「5.9号機」や新規則「6号機」といった出玉規制が及ぼす影響は大きいといえる。それも、業界トップのシェア数を誇るサミーでさえも苦戦が強いられている状況だ。
そういうこともあり、遊技機の販売だけはなく「関連事業や別業種」を”会社の柱”としているメーカーは多い。
先月20日、一昨年にパチスロ市場へ新規参入を果たした『ハイライツ・エンタテインメント』が新型ICユニット「MALINA(マリナ)」を発表した。
主にパチンコ・パチスロを遊技する際に必要な「玉やメダル」の貸出機だが、持ち玉を計測できる「各台計数機能」を装備、また部品交換を行うことで新規則から搭載可能な「管理式遊技機」にも対応できる設計となっている。
もともとは周辺機器をメインに扱う同メーカー。パチスロ事業は「二の次」といったところだろうか。
一方で、パチスロ事業を主軸とする大手メーカーが周辺機器を扱う場合もある。パチスロメーカー『ユニバーサルエンターテインメント』『オーイズミ』がその代表格。メダル貸機やコインを流すジェットカウンターなどの販売も行っているのだ。
さらに、パチンコとは全く無縁の「別業種」に着手するメーカーも存在している。
「カエルでお馴染みの『山佐』ですね。『モンキーターン』『キン肉マン』など数々のヒット作を飛ばしてきただけに、パチスロメーカーという印象は非常に強いと思います。
ですが、同社は『航空機・船舶リース事業』も行っているようです。2015年に『環境ビジネスオンライン』(日本ビジネス出版)が掲載した記事によれば、ボーイングとエアバスの航空機を『170機所有』、毎年『1000億円程度』の航空機を継続的に購入しているとのこと。スケールの大きさに驚きですよ」(記者)
その他、ガソリンスタンドを経営、太陽光発電事業を行うなど幅広い業種に着手する山佐。
仮にパチンコ業界そのものが消滅しても、本当の意味で”生き残れる”唯一のメーカーではないだろうか。
(文=編集部)
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