ぼくらはあの頃、アツかった(12) 青春。ゴルゴ。バレンタイン。爆裂AT時代、隣の席にあの子がいた。
つい20分前まで打っていたゴルゴのシマ。先程まで彼女が座っていた台には、見知らぬ他人が座っていた。
ホールを見渡す。彼女は居ない。もう帰ってしまったらしい。自分がとても大きなチャンスを逃してしまった事に気づいて愕然とした。一方で、「これで良かった」とも思った。
北風がびょうびょうと吹きすさぶ街。ポケットに手を突っ込んで家路を急ぎながら、パチスロだ。と思った。
──パチスロを打ってれば、またそのうち会えるだろう。
四号機爆裂AT時代。それは取りも直さず、筆者の「青春時代」だった。
(文=あしの)
【あしの】都内在住、37歳。あるときはパチスロライター。ある時は会社員。彼女と別れて自暴自棄。ブログ「5スロで稼げるか?」の中の人。