パチスロ「7が見えたら大金持ち」!? ～2号機名機伝説「バニーガール」後編～【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.14】

　ボーナスが入ったのに揃えられず困っているご婦人方がいたら、積極的に声をかけて揃えてあげる。向こうから頼まれても嫌な顔はせず、涼しい顔をして揃えてあげる。お礼にいただく缶コーヒーで、いつもお腹はちゃぽちゃぽだった。

　そんな風にしているうち、同じ歳頃の女の子と仲よくなった。

　いや、決して下心があったこちらから近づいたわけでもなく、どーのこーのな関係にもならなかったのだが、パチスロについてあれこれいちいち聞いてくるのが面白くて、からかい半分で相手をしていたのである。

　その日も、いつものようにボーナスが入ってもなかなか揃えられずに困っていたので、すーっと手を伸ばして777を揃えてあげた。すると彼女は、真顔でこんなことを訊いてきた。

「そういえば、あんた。いつも簡単にセブン合わせるけど、見えてるん?」

　あたりまえやん。見えてるから揃えられるんやで。…と返したのだが、すると彼女は目を大きく見開き、こう言った。

「うそっ!?　セブン見えてるん!?　じゃあ、揃え放題やん!!　あんた、めっちゃ金持ちちゃうん!?　金持ってそうに見えんけど!!」

　えっと…ね。パチスロってのは、中のコンピュータで「揃えてもいいですよ」って状態にならないと、いくら正確に狙っても揃わないんだよ。…ってなことを、やや半笑いになって彼女に説明した。

「ふーん、そうなんや。でも、セブン見えるって、すごいやん」