パチスロ「ビッグ終了直後の小役落ちで連チャン!!」~3号機名機伝説『リノ』編~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.42】
そのマシンとの出会いは、1991年の確か初夏だったと思う。
当時、ホームグラウンドとしていた隣駅の大型店。その新装2日目を訪れると、パチスロコーナーに見慣れぬマシンが並んでいた。
ニイガタ電子精機の3-1号機『リノ』。
攻略情報誌の新台紹介記事で見たことのあるマシンだったが、それはもう1年も前のことだ。
なぜ、いま頃になって、新台として導入されたのだろう。
不思議に思いながらも、しばらく待っていると居心地の良さそうな角台が空いたので、さっそく腰を下ろして打ち始める。
ほどなくすると、まるで強力な磁石にでも吸い寄せられるかような粘り気の強いスベリを伴って、中段に7がテンパイ。そのまま右リールを狙うと777が揃って、ビッグボーナスがスタートした。
特徴的なマンボのBGM。本来は、明るく熱情的で躍動感のある音楽なはずなのに、音質のせいだろうか。不気味で重苦しく聞こえた。
さて、何事もなくビッグを消化し、店員を呼んでリセットしてもらいゲームを再開した直後に、「事件」は起こった。
2ゲーム目、トマトが揃って「トゥルルルル~」とクレジットから溢れたコインが数枚、下皿に落ちてきた。
すると、隣で打っていた青年が突然、こう耳打ちしてきたのである。
「次、入りますよ」
界隈の新装開店などでよく顔を合わせる、男女数人のグループのうちのひとり。いつも真っ黒なサングラスをかけていて、どことなく不気味な男だった。
自分はパチ屋ではスタンドアローンで行動していたので、彼らとは顔見知りではあったが、ろくに挨拶すら交わしたこともなかった。
「入るって…え、どういうこと?」
「いいから。次、狙ってみて」
不可思議に思いつつも、言われるがままに狙ってみると、先ほどと同様に粘っこいスベリを伴って777が揃い、ビッグボーナスは始まった。
「えっ、なんで? なんで入るって、わかったの?」
狐に摘ままれたような気持ちと面持ちで問い質すと、青年は不敵な笑みを浮かべながら、ただただ黙って頷くだけであった──。
前回ご紹介した「闇の帝王」こと『アラジンⅡ』とともに、裏モノ連チャン機第2世代の代表格として全国のホールを暴れ回り、攻略情報誌の誌面を賑わせた『リノ』。
その多くは、「ビッグ終了直後の小役落ちでビッグが連チャン」という、いわゆる「小役落ち連チャンVer.」であった。
その仕組みが判明するのはまだまだ先のことだったが、裏プログラムは当時主流であった注射によってRAMにドーピングされていた。
翌1992年に攻略情報誌の解析によって判明した小役落ち連チャンの原理はこうだ。
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