パチスロ「リプレイが連続して出現すれば何かが起こる…!?」～4号機名機伝説～ 『C51SP』後編　【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.105】

　師走の多忙な中、はるばる愛知へ遠征して行った初ホール実戦では、これといった怪しい挙動は見せなかった、パル工業の4号機第3弾『C51SP』。

　前回も触れたが、我々が実戦を行ったホールというのが、当時パル工業と提携関係にあった某パチンコメーカーの直営店だった。

　実は3-2号機『ペガサス412』がデビューした際にも同じチェーンで初めてのデータ取りが行われたのだが、その時も期待に反して怪しい挙動は一切、見受けられなかった。

　メーカー直営店ゆえにガードが固く、「どこかの悪い人たち」が入り込む隙などなかったのだろう。考えてみれば、当然のことだ。

　ところが、である。やはりというか、なんというか。年が明けて都内にも設置が増えてくるとともに、不穏な噂が続々と舞い込んでくるようになった。

　きけば、「あたかも集中役に入ったかのようにリプレイが連続して出現し、やがてビッグの連チャンが発生する」というのだ。

「リプレイの連続がビッグの前兆になる」といえば、先に『ペガサスワープR』の例があるが、それとはまったく異なる性質のものらしい。

「これは非常に興味深い。要・調査だな」
「…ってか、なんだかソソられますね」

　…というわけで。愛知の初実戦ではいまひとつ手応えのなかったビッグ中のリプレイハズシ攻略の再検証も兼ね、スタッフ数名で情報にあった都内のホールへと向かった。

　結果からいうと、ビッグの連チャン性だけでみれば、愛知で打ったノーマル高設定と変わらないレベルだった。が、通常時に採取した小役出現率データを吟味すると、噂のとおりリプレイの出現率に異常な偏りが見られたのである。
　100ゲーム区切りでみると、多い時で40回前後。確率にすると、2,5分の1程度か。まさに、リプレイの集中役である。体感的にも「…あ、来てる来てる」と思えるほどだった。

　ただ、そのリプレイの偏りがすなわちビッグの前兆になるかというと、その日の実戦ではいまひとつ判然としなかった。

　期待どおりビッグに繋がる時もあれば、何ごとも無かったようにリプレイが出なくなることも多々あり、「なんだか、よくわからん」というのが、正直なところであった。

　ただ、この時の実戦結果を記事にして掲載したところ、けっこうな反響があり、読者から続々と情報が寄せられた。その中には、我々が都内で実戦したものよりも、より異常な挙動を示すものもあった。

　なんと、「リプレイが100ゲームほど途切れることなく連続し、そのあとには12枚小役が60ゲームほど続いて、やがてビッグに繋がる」というのである。

　リプレイが100ゲーム連するというのも凄い話だが、12枚小役が60回も連続するのもとんでもないことだ。

　また、こんな情報も寄せられた。

「近所の店では度々、リプレイの連チャンが1時間以上も続くことがあるのだが、ある中年の常連客が途中で我慢できず怒って店員を呼び、強制的にリセットさせた」

　情報提供者によると、前出のものと同様、「ビッグの前には必ず、リプレイのロング集中と12枚小役の集中があり、うまくいけば多い時でワンセット千枚近い出玉を獲得できる」とのこと。

　件の中年客は、そんなオイシイ特性を知らなかったのだろうか。なんとももったいない話である。…というか、営業中にリセットをかけるという行為は、コンプライアンス的には完全にアウトなのだが。
　ともかく、伝統ある「ペガサス」の名と訣別しても、「パル工業といえば連チャン機」というファンの期待に応えるかのように裏モノ化してしまった『C51SP』。

　その後、パル工業は1995年から翌96年にかけ、同一の仕様を持つシリーズ機を5作、立て続けにリリース。それらは、いずれも例外なく裏モノ化し、全国のホールで暴れ回ることとなる。