パチスロ「初夏の北海道で繰り広げられた灼熱の闘いの結末は…!?」~4号機名機伝説~ 『トリプルウィナー3』後編 【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.102】
4号機名機伝説~ 『トリプルウィナー3』後編
遡ること27年前、1995年6月のことである。
パチスロ必勝ガイドの人気実戦企画「91時間バトル」。その特別編を、はるばる北海道は帯広のホールへ遠征して行うことになった。
周年を祝う時期でもないのに、えらい大きな話である。「はて、どうしたことか」と編集部に尋ねてみると、ちょいちょい怪しい系のネタをリークしてくれる関西出身&札幌在住の自称コンサルタント氏から、こんなオファーがあったらしい。
「クライアントの店舗が、農繁期で稼動が落ち気味で困ってるねん。大勢で来てバトルやって、盛り上げてくれへんか。もちろん経費はぜんぶ出させるし、設定もしっかり入れさせるさかいに」
いまよりもずっとずっとホールが元気モリモリだった時代とはいえ、なんとも景気のいい話である。
当然のことながら、この願ってもない申し出を編集部は二つ返事で快諾。ライターと担当編集、カメラマンからなる総勢十数名の遠征部隊が編成され、さながら修学旅行へ向かう小学生のごとくワイワイ&ガヤガヤしつつ、北の大地へと羽ばたくのであった。
初夏の北海道で繰り広げられた灼熱の闘いの結末は…!?
さて、いつもは日替わりのリレー形式にて7日間トータルでの勝ちを目指す91バトだが、地方遠征ゆえにそうもいかないので、9組10名のバトラーが総当たりで差玉を競うこととなった。加えて、トップを獲った者にはご褒美として、2位以下の者たちから勝ち分を総取りできるという特別ルールも設けられた。
勝手もわからぬ初めての店で、ただ勝つだけでも難しいのに、トップを獲らないことには意味がない。往きの機内では和気あいあいとしていた「ご一行様」も、到着して闘いの舞台となるホールへ下見に訪れた頃にはもう、皆一様に目をギラつかせ闘志をむき出しにするのであった。
そして、一夜明けて迎えたバトル当日。ライバルたちの多くは一撃大量獲得が期待できる集中役を搭載したA‐C機で勝負に出たが、自分は純Aタイプ機で手堅く勝ちを目指すことにした。
選んだのは、『トリプルウィナー3』。理由はほかでもない。ボーナス合成確率が非常に高く、連チャン性能に秀でていたからである。当ればラッキーな特大ホームランを狙うより、コツコツとヒットを重ねて着実に点を取って行こうと考えたわけだ。
同様の理由で本作を選んだ者が、もう1人いた。前年暮れにガイドのライターに採用されたばかりの新人、ニューガルーダ石川(のちのガル憎)である。
日頃からヤツは自分のことを師匠と慕い、自分もヤツのことを弟子として可愛がっていたのだが、総取りを賭けたバトルとなると話は別。互いに闘志をむき出しにして、仁義なき師弟対決に挑んだ。
勝負は序盤から、互いに一歩も譲らぬ乱打戦となった。こちらがリードすれば、あちらがすぐ引いて追いつく。するとまたこちらが引いて一歩リードする。そしたらまた、あちらが…そんな、つかず離れずの壮絶なデッドヒートが、タイムリミットの午後9時まで続いた。
結果は、差枚数にして十数枚という僅差でガルーダ君を破り、自分が優勝。見事、勝ち分をブン獲ることに成功した。まぁ、A‐C機に挑んだ者たちが皆揃って惨敗し、プラスで終えたのがガルーダ君と編集部員のS君の2人だけだったので、大したご褒美とはならなかったが。
とにかく、この日の師弟対決はいま思い出しても本当に凄まじいものだった。映像に収められていないのが悔やまれるが、月刊漫画パニック7誌に掲載されていたコミックには手に汗握る白熱した闘いぶりが見事に描かれている。各有名サイトで販売中の電子書籍版を、ぜひご一読願いたい。
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