パチンコ・パチスロの「コンプリート機能」ってなに？ 業界の重鎮が分かりやすく解説！

　すでに多くのパチスロ6.5号機には搭載されているコンプリート機能。パチスロは1万9,000枚、パチンコは9万5,000発に達すると発動するとされている。

「社会的に許されない機械を世に出さない」ことを目的したリミッター機能

　読者諸氏の中では、このコンプリート機能について、イマイチ理解できていない方もいるかもしれない。そんな方にお勧めしたいのが、ベテランライター・大崎一万発氏が主宰するYouTube「まんぱつ」内の動画「【導入目前】コンプリート機能(打ち止め)の内容をおさらいしておきましょう」だ。

　これによると、コンプリート機能は過去、警察庁から「パチスロは2万枚、パチンコは10万発を超える台は不適合な機械じゃないか？」との指摘があったことで誕生した模様。それに達する前に「打てないようにする」ことで、「社会的に許されない機械を世に出さない」ことを目的とした「大きな大きなリミッター機能」だという。

　古くからのプレイヤーならばお分かりの通り、金額にして「約40万円分」の玉やメダルが出ることは滅多にない。だが、その「無いもの」に蓋をすることによって、「一日5万円勝ったとか、10万円勝った」といったゲーム性の部分には手を突っ込ませないようにする「非常に高度な交渉の上に生まれたものがコンプリート機能」だそうだ。

気になる「発動タイミング」と「リミッター解除方法」

　発動タイミングは冒頭で述べた通りで、それまでの経緯を問わず「MY値」で1万9千枚、或いは9万5千発に達した時点で打ち止め。MYとはダイコク電機の用語だそうで、Yとは「寄り」即ち「有効入賞口に玉が入ること」で、Mは「MAX」、つまり「最大出玉」を指すのだという。

　もちろん、コンプリート機能はいきなり発動するわけではなく、パチスロは1万8,500枚、パチンコは9万発に到達したタイミングで報知。コンプリート発動後はRAMクリア、もしくは設定変更を施すことでリセットされるそうだ。

　また、コンプリート機能到達までのカウントは電源オン・オフでされるとのこと。大崎氏はこれに関しても「RAMクリアが必要ではないか」と思っていたそうで、となると「RAMクリアが面倒なホールで前日1万枚出たら、翌日は9千枚で打ち止めになる」といったトラブルが起こる危険性もあったわけだが、「さすがにそれは回避される仕組みを搭載した」と安心した様子だった。

　これも冒頭で述べた通り、パチスロは既にスマスロ・6.5号機共に基本的には全てコンプリート機能を搭載。一方、パチンコについては「令和4年の型式申請から順次搭載を開始し、11月以降の型式申請からは全ての機種に」とのことで、大崎氏は「11月以降に持ち込まれる機械(パチンコ)は全部コンプリート機能が付いてくる」と説明した。

　このコンプリート機能に関しては、「強制的な打ち止め」であることから「もうパチンコ・パチスロは終わり」と感じているファンも一部ではいるそうだが、大崎氏は在りし日の羽根モノの打ち止めを例に挙げ、「満足感があった」と回想。それ故、コンプリート機能の発動も「お金的なものよりも、価値のある経験になる」とし、初めてコンプリート機能の発動をSNSにアップした方には「まんぱつからシールを送らせていただきたいと思っております」と話をまとめた。

（文＝編集部.）