パチスロ「5号機」超ヒット機種が「原作アニメ」にも波及…… 現行機種の基礎となった「革命的パチスロ」を振り返る
2004年から開始されたパチスロ「5号機」が今年2月、遂に終焉を迎える。
開始当初は、ボーナスでコインを増やす『SHAKEⅡ』『デビルメイクライ3』などノーマルタイプが主流だったが、コイン持ちを維持する『スパイダーマン2』といったRT機の登場で、出玉性能は大幅にアップ。
そして、RT中にベルを”ナビ”する機能を組み込んだ「ART」システムの登場が、5号機のゲーム性を劇的に進化させたのであった……。
そんな時間の経過とともに大発展を遂げた5号機の歴史を再び振り返りたい。
“第3のボーナス”と銘打たれた新システム
2007年に登場したART機『バイオハザード』以降、徐々に同様のシステムが増え始めたパチスロ機。そんな浸透しつつあったARTシステムを”絶対的存在”にした名機が2009年に誕生した。
それが、『パチスロ交響詩篇エウレカセブン』(サミー)である。
本機は、ビッグボーナス・レギュラーボーナスに加え、1セット50GのART「コーラリアンモード」を搭載。ビッグボーナスは7揃いなど1/90以上の確率でARTセット数を獲得できる遊びやすい設計だ。また、レギュラーボーナスでは押し順ベルの正解率に応じて最大5個の上乗せが期待でき、出玉感も楽しめ仕様となっている。
特徴的なのが、第3のボーナスと称されるARTシステムにある。これまでのART機は、ボーナスを経由してARTへ突入させる機種が多く存在し、「ボーナスを待つ」という流れが一般的だった。
しかし、本機種は通常時からもARTへ突入するルートを搭載。自らチャンスを掴み取るといった能動的なシステムが、多くのユーザーを唸らせて大人気機種となった。
このようなプレイヤーを突き動かすゲーム性と革新的なシステムは、版権元であるアニメ作品にも影響を及ぼし、「パチスロがきっかけでアニメを見た」「アニメにハマった」とパチスロ機の枠を超える一大ブームを巻き起こしたのである。
4号機時代の”暴れん坊”が5号機で復活!!
「エウレカセブン」のヒットを皮切りに、ボーナス+ARTが主流となっていた時代。そんな時に”ARTのみ”を搭載した爆裂機が遂に帰ってきた。
それが、2011年登場の『ミリオンゴッド~神々の系譜~』(ミズホ)だ。
ART「GOD GAME」は、約2.4枚/Gという破格の純増枚数を実現。さらに、1セットはなんと100Gと「GOD」の名に相応しい強烈な出玉性能となっている。
1/8192という絶妙な確率を誇る「GOD揃い」は初代を踏襲し、引いた時点で5セットの上乗せが確定。これだけで100G×5セット+αと期待獲得枚数は2000枚超えだ。
そして期待度未知数の赤7揃いから突入する「EXTRA GAME」が爆裂出玉に拍車をかける。赤7の出現率は約350倍の約1/10まで飛躍的にアップ、揃える度にセット数が上乗せされる。また内部状態が最高の超天国に滞在していれば、ベルやリプレイなど通常小役の上乗せ性能が大幅に高まり、強烈な出玉感が期待できるのである。
登場した直後から出玉感に飢えていたユーザーの心を鷲掴みにし、ホールを再び鉄火場にした。そして5号機は最盛期を迎えたのであった。
爆裂出玉はARTからAT時代へ
ARTシステムで高い出玉性能が可能となりホールが熱気に包まれていたその時、さらに性能がアップした新システム「AT機」が生まれた。通常時はほぼリプレイのみ揃うが、ATに当選すれば押し順ナビによって高頻度でベルが揃い、これまで以上の高い純増枚数を実現させた。
その中でも2013年に登場した『北斗の拳 転生の章』(サミー)は、現在もなお高稼働を誇る人気AT機である。
通常時は、自身で通常遊技数を獲得する「あべしステム」を搭載。従来の「北斗」シリーズの定番であった、レア役契機でボーナス(ART)当選する仕様を一新。かつてない画期的なシステムに生まれ変わったのだ。
そして大きな変化を遂げたのは通常時だけではない。
それが、二部構成のAT「闘神演舞」「神拳勝舞」である。前半の「闘神演舞」は1セット40Gでその間に「勝舞魂」を貯める。消化後は1G完結型の新継続システム「神拳勝舞」へ突入。ここでは獲得した「勝舞魂」の数に応じてサウザーやジャギといったライバルとの熱いバトルが繰り広げられ、勝利すれば再び「闘神演舞」へ突入するのである。
こういったシンプルかつ斬新なシステムは、多くのユーザーをアツくさせることに成功。その結果、多くの他メーカーがこのシステムを活用したのであった。5号機のゲーム性を大きく進化させた機種の1つといえる。
ボーナスタイプが主流だった時代からここまで変化を遂げることを、一体誰が想像しただろうか。
当初は絶望の声が絶えず、終焉とまで言われていた5号機。その厳しい状況でもここまで盛り返すことができたのは、開発者の絶え間ない努力があったからこそだ。
しかし、来月から開始される、大幅に出玉率が低下した新規則「6号機」によって今まで培ってきたノウハウはゼロとなり、苦戦が強いられることは間違いないだろう。
ただ、そんな状況が待ち受けようとも、絶望の5号機を救った時のように6号機においても”革新的機種”の登場を期待するユーザーは少なくないはずだ。
(文=編集部)
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