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パチスロ「新システム」革新的機種誕生のきっかけとは……元パチスロ開発者の呟き言

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 プレイヤーを飽きさせないためにも日々進化するパチスロ機。その歴史をたどれば、新しい出玉概念やそれらを活用した新機能など、多くの新システムが溢れている。

 そんな”革命”とも呼べるシステムの誕生は、開発者の涙ぐましい努力があったからこそ。

 そこで今回は、パチスロ開発経験者である筆者が、思わず「シビレた」「感動した」業界震撼のシステムを振り返りたい。

5号機で不可能と言われたあのシステムが誕生!!

 かつて4号機時代はボーナスを一時的に貯蔵するシステム”ストック機”が一世を風靡し、リアルボーナスの連チャンが可能であった。700枚を超えるボーナスが連続で押し寄せる強烈な出玉システムは、多くのユーザーを虜にしたといえるだろう。

 しかし、そのあまりにも高い爆裂性能は危険視され、5号機の開始とともに廃止へ。そうして時代が進むと、4号機に近いボーナス連チャンを表現した「疑似ボーナス」が考案された。

 演出上で「〇〇ボーナス」と表現された同システムは、AT・ART機能を用いて意図的な連チャンを実現。歴史的ヒット機種『押忍!番長2』『SLOT魔法少女まどか☆マギカ』など数多くの機種に搭載され、パチスロにとって必要不可欠な要素となったが……。

 違和感を覚えるユーザーがいたことも確かだった。とある機種では疑似ボーナスを「BIG ボーナス」と名付けていたが、わずか100枚の獲得枚数で終了する機種も存在。そして、なにより疑似ボーナスはあくまでAT・ARTだ。実際は、押し順ベルによって出玉を増やす仕様であり、リアルボーナスとは大きな相違があった。

 そんな人気の裏にある違和感と格闘していた時代、あの革新的な機種の登場によって状況は一変するのである。

 それが、2015年に登場した『リノ』(山佐)だ。

 本機種は、なんと5号機では実現不可能と言われていた”リアルボーナス”の連チャンを実現したパチスロだ。BIGボーナス約200枚、REGボーナス100枚が70%以上で連チャンする今までにない画期的なシステムで登場。ユーザーから多くの支持を得た1台である。

 ではどのようにして生み出されたかというと、本機種のゲーム性にヒントが隠れている。

 基本的なゲームフローを説明すると、トマト図柄を揃えた後、転落する前にリアルボーナスを引き当てるだけ。至ってシンプルなゲーム性だが、内部はとても複雑な仕様だ。

 まず、トマトを揃える前の状態は、なんと「BIGボーナスREGボーナス」の抽選自体が行なわれていない。なぜならトマトは常に潜伏しており、またトマト自体もリアルボーナスだからである。実際に遊技していて、トマトを揃えた後、2枚掛け2枚払い出しの不毛な作業に疑問を感じた人も多いはずだ。この作業を終えてようやく、「BIGボーナスREGボーナス」の抽選が行なわれるのだ。

 そして、この不毛と呼べるトマト揃いが、出玉を生み出す「BIGボーナスREGボーナス」の成立を封じ込めることによって、リアルボーナスの連チャンが実現したのである。

 ちなみに、このトマトの使い方は「AT機」開発にも用いられた手法でもあり、画期的なシステムがさらなる革新的機種を生み出したといえる。

 この他、5号機に絞っただけでも数多くのシステムが誕生し、ホールを大いに盛り上げた。その影には、開発者の発想力、それらを生み出すための絶え間ない努力があったのだ。
(文=編集部)

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