パチスロ「家スロ」修行で「設定６」を奪取? 家で「10万負け」機種をホールで挑んだ結果……

>「パチスロジャンキーの末路」

　パチスロデビューを果たして10年以上が経ち、毎日のように通っていたパチンコホールは筆者にとって「第2の家」と化していた。ただ、軍資金があるからこそ成り立つ生活だ。いつか資金が尽き、パチスロが打てなくなることに怯えていた。

「なにか手立てはないか……」と解決策を模索していた時、その不安を一発で解消する画期的なアイディアを発見。それが、スロットを家に設置する「家スロ」だ。

　最初は「1台だけ」と思っていた家スロは、今では「計10台以上」も購入。誰もが認めるパチスロジャンキーである。

　そんな筆者は、常にパチスロの最高設定6で遊んでいた。実際のホールでは滅多に打てない最高設定だけに当然ではあるが……。

　何万Gも回していると、スロッターなら誰もが望む「設定6」でさえも飽きはくる。特に、ハイスペック機種「119％」となれば「出るのが当然」といっても過言ではなく、出玉が生まれるプロセスに喜びを見出せない状態に陥っていた。

「じゃあ逆に最も出ない設定1にするか」と一瞬頭によぎるもそれは単なるドM。どうせなら「設定6」の経験を活かせるアイデアはないかと友人に相談すると……。

「ホールで設定狙いすれば？」

　至極当然の答えが返ってきた。だが、基本的には「家スロ」にある機種はホールでは二度と打たないのが筆者の流儀。発想そのものがなかったのだ。

「じゃあそうするか……」

　とあまり乗る気ではなかったが、他にすることもなく「設定狙い」を決意。翌日の朝、ホールへ向かうのであった……。

　決戦を迎えた朝。ホールに近づくにつれて、前日のモチベーションとは打って変わりやる気に満ち溢れていた。

　そしてホールへ到着し、スロッターが最も興奮する時間「開店待ち」が訪れる。闘志はみなぎっていた。周りにまがまがしいオーラを放っていたかもしれない。

　朝9時の開店時間まで残り数分を切り、緊張と興奮は最高潮に達していた。１分がすぎる時間があまりに遅く感じるほど。「早く開店しろ……早く開店しろ……」と脳内で連呼していたが……。

　肝心の打つ機種をまだ決めかねていた。候補しては「コードギアス」「モンスターハンター月下雷鳴」を考えていたが、どちらも激荒機種で有名。リスクを考えると選ぶべき機種ではない。しかし、「家スロ」機種でホールにあるのがこの2機種のみ。選ばざるを得ないのである。

　そんな勝負機種に頭を抱えていた時、ある囁きが聞こえてきたのである。「ここの店はモンハンがアツいよ」と。

　その助言と同時に入店がスタートした。熾烈の台取り合戦をなんとか突破し、無事に本日の狙い台を確保。ついに「設定狙い」の勝負が始まったのである。

　はじめに、本機の設定判別ポイントとゲーム性を簡単に説明すると、高確・低確といった内部状態・天国などのモード移行に設定差がある。つまり、初当たりがとにかく軽い。ただ、家スロの「設定6」で-5000枚、もしホールであれば10万円負けの経験もある。油断はならない。ゲーム性は、ゲーム機と同様にモンスターを倒していき、狩猟できればボーナスが連チャンというシンプルな仕様となっている。

　まず、最初はリセット時に抽選される天国モード128G以内に当選しているかどうか……しかし、残念ながらスルー。基本的に約100G毎にチャンスが訪れる仕様だが、200G……300G……そして400Gもスルー……。

　そして500G台の当選の有無が、本機最大の鬼門となってくる。なぜなら600G以降は、なんと高確率で999Gまで大当たりすることがないからである。是が非でも当てなければならないのだ。

　しかし、その肝心の500Gでは当たりを引くことができず、案の定、天井に到達。この時点で3万円以上の投資だ。軍資金は残りわずかとなっていた。

「ボーナス確定！」と派手に告知が入るも、なにも嬉しくなかった。そんなテンションに応えるが如く、モンハン打ちなら分かるであろう「BAR揃いからのクルペッコボーナス」。連チャンに最も期待できない組み合わせである。

　その後は「家スロ-5000枚」の再来かのように、ハマりを繰り返した。当たっても単発、出玉を飲まれて追加投資の連続……。そしてついに軍資金は底を尽きた。

　おそらく設定は低くなかったはずだ。内部状態は頻繁に高確へ移行、天国への移行率も良好。設定6でもおかしくない。ただ筆者自身にハンターとしての素質がなかっただけ。他の人が打てば間違いなく、楽しい時間を過ごせていたであろう。

　家スロにある機種はパチンコホールで楽しむべきではない、と改めて分かった一日だった。ちなみにその日は、8万円負け。「家スロ」を買っておけば……。
(文＝回胴ジャンキー山崎)