パチンコ「8000発」以上を吐き出す天国モード…手軽に狙える「攻略法」も存在した“最強”の出玉兵士!!

　2016年を境に「権利物」あるいは「一発台」と呼ばれるジャンルの機種がファンに認められる存在になってきた。ちなみに「一発台」という規則上の区分はなく、あくまでホールやメディアがゲーム性を簡潔に表現するために使った俗称となる。

「一発台」はその名のとおり、たった1玉で存外の出玉を獲得できるタイプ機種。つまり、このジャンルにおける復権をもたらした『CR天下一閃』に代表される役物を抽選のメインに使用したマシンとなろう。

　一方、私のイメージとしては「権利物」とはデジタル抽選によって大当りすれば2回、3回と決まったセットによるまとまった出玉を獲得できる機種である。認識的には、あくまでデジパチの延長線上である。

　そういう意味では、昨今盛り上がりを見せている機種は一発台で、トラディショナルな権利物はサンセイの『ビッグバロン』やマルホンの『ソルジャーリターンズ』まで遡らなければならない。

　名前が挙がった2機種は権利物の名機として知られるが、特に『ソルジャー』はパチンコ史に残るマスターピースとして多くのファンの記憶に強烈に印象づけられている。そんなに大げさでもなく本機によって人生を変えられたファンもいるのではないだろうか。そんな伝説の一台となる。

　大当り確率は1/287。確率が優遇されていた権利物としては普通だが、その出玉性能を考えるとかなり甘いと感じてしまうのである。

　では、その爆裂性の詳細を紐解いていこう。大当り後は図柄によってその後の展開が変化。「3」「7」図柄が揃った場合は3回権利となるが、その他の図柄なら1回権利で終了してしまう。

　1回の出玉が約2100発なので「3・7」とそれ以外では4000発ほどの差が出ることになる。ところがプレイヤーは「3・7」が出ると怒りをあらわに、台を叩く者まで出現する。上位フラグの3回権利を獲得してそんな感情や行動になるのはなぜか。

　実は本機、1回権利の終了後に約1/8で連チャンモードへの移行抽選が行われていて、突入すれば終了条件を満たすまで大当り確率がアップする機能が搭載されていたのである。一度連チャンモードに突入すれば最低4連、8000発以上の出玉が確保され、2ケタ連チャンなぞ珍しくもない爆発力を見せる。

　そして、その連チャンモードからの転落が「3・7」図柄での大当り。出玉としては優遇されている3回セットが天国モード終了の合図であり、じつに意地が悪いというか、従来とは正反対の論理が組み込まれている、ユニークなゲーム性を持っていたのである。

　ちなみに、本機には「エラー攻略」と呼ばれる攻略法が存在。大当りの15ラウンド目をフルオープンしたあとに最終ラウンドに玉を1発も入れずエラーを発生させると連チャンモードに必ず突入する仕組みとなっていた。

　最終ラウンドの手順だけでも連チャンモード突入率が大幅にアップするので、非常に簡易な攻略法として知れ渡り、注目の機種として脚光を浴びたのである。

　もちろん、攻略法を使用しなくても爆発力はすさまじいものなので、普通に打って普通に爆連させているファンも大勢いたのである。

　自由奔放だった時代が生んだ最強の出玉兵士は、いまでは廃れた権利物で夢をもたせてくれたヒーローだったのである。

（文＝大森町男）

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