パチンコ店「設置台数4ケタ超え」のモンスター店舗が増加… 業界の大御所が「建前と実態が乖離している」と指摘
総設置台数2,113台。大分県大分市には日本最大級の「nikko 大分中央店」なるホールがある。
ホール検索サイト「P-world」によると5月10日現在、『新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~』は176台、『Pフィーバー機動戦士ガンダムユニコーン』は65台、『マイジャグラーV』と『押忍!番長ZERO』は70台、『アラジンAクラシック』は63台と度肝を抜くシマ配置。1パチだけでも全540台と中規模ホールクラスの設置台数を誇る。
業界の重鎮・大崎一万発氏によると近年、こういった大規模店舗が増えているという。業界全体が斜陽になる中、「何か売りがないと残っていけない」という点が大きな理由のひとつ。「客との距離が近い」遊技場スタイルでは通用しなくなりつつある一方、「ドカンという舞台装置」の場では「毎日5万発くらい出てくる」とし、その5万発は「俺じゃないかな」と期待を抱く客が増えたのだそうだ。
ただ、これについて大崎氏は自身のYouTubeチャンネル「まんぱつ」内の動画「【超大型店】増え続けるモンスター店舗に思う事」で「非常に危険な賭けとも思える」とコメントしており、「上手くいかなかった時の店内状況」を不安視。仮に、2,000台設置のホールに500人が来店しても1,500台が空き台となるわけで、「ガラガラに見えちゃう状況」では来店客も「店内が盛り上がっていないと『次はちょっとヤメておこう』となる」と指摘した。
また、大型店舗は設置台数の多さから「1台1台に目が届きにくくなる」とし、「(調整が)雑になりがち」と発言。特にパチンコは「この機種はこういうお客さんが打ってるから」と「1個1個手間を掛けて」こそ楽しんでもらえるわけで、「この台は15回だけど、この台は20回」といった具合に「てんでバラバラ」だと、回転率の悪い台に座ってしまった客は「ちょっとどうなの?」と感じてしまうと続けた。
本来、パチンコは「気軽に遊べる娯楽」だ。だが、現在の「わざわざ(大型店舗まで)遠出して特定日に勝負する」という状況は「賭博といって差し支えない」と大崎氏。「建前と実態が乖離している」とも続け、このまま大型店舗が増え続けると「庶民の、誰でも遊べる娯楽という建前が通用するのかと言えばそうではないと思う」と危惧した。
もちろん、ホールも商売であるから生き残らなければならない。エリアによっては「2番手以下に落ちたら終わり」というシビアな状況もあるそうで、「努力の結果として、そういう形に集約しているというのは理解できる」としたが、どんどん「一部の人が楽しむ」「一部の人しか理解できない」遊びになりつつある点については「凄く不安に思ったりもする」と疑問を投げ掛けた。
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