パチンコ「いい意味でちょいダサ」の名機……ハイクオリティーな仕上がりに脱帽!!

　もちろん『P美夏美華パラダイス』も十分にその資格を有している。まずもう機種名である。なぜだかわからないが、沖縄をモチーフにしたパチンコ・パチスロ台が無数に存在する中で、このネーミングはかなり完成度が高い。

　次に、文字の描かれた図柄のデザイン性。ドラムの本質と本機のコンセプトが完璧に再現されていて、すべてのドラムが好きなプレイヤーに、いや思い上がりを承知で言わせていただくならば、私に、私にこそ向けられた強いメッセージによって多幸感に溺れることができるのである。

　そして決定的なのが、ボタン演出。デジタル変動時にボタン押下を促す演出が発生すると、ボタンを押した際、リールに期待度を示唆する色の変化が起こり、それと同時に音声が発生するのであるが、緑色に変転した折の音声パターンが「ゴーヤチャンプルー」。確信犯である。完全に開発者は理解していることが証明されたのだ。また、令和初の”ドラム機”が確定した瞬間でもある。幸か不幸か、愛すべきサブカル台としてラインナップに刻まれることとなるのである。

　転落抽選かつ突破型の異色スペック、シーサー役物が玉を飲み込むユニークなアタッカーなどディテールの随所にこだわりを感じる、総合点の高いマシンであることも付記しておこう。
（文＝大森 町男）