パチンコ「最高コンテンツ」賛否両論!? 「らしさ」と「爆発力」は失わない仕上がりには脱帽!!
まさか、この時代に『海』へ寄せてくとは……。
そう、『キュインぱちんこ P南国育ち デカパトver.』は近年では珍しい、清々しいほど『海物語』に接近した機種なのである。
通常時は「南国モード」「ハワイモード」「沖縄モード」の中から演出モードを選択でき、ハワイモードは画面に滞在するキャラがアクションを起こせばチャンスとなり、沖縄モードでは琉装(沖縄の民族衣装)をまとったミニキャラがステップアップで出現する。さらには、ノーマルリーチの大当り占有率が高く、テンパイ時は群が発生すれば大チャンスとなる。
確かに過去、『海物語』をなぞった機種は多く存在した。地獄の5回リミッター、確変50%ミドルタイプの画一的機種だらけ、うっひゃー大当り1/500とか80%ループとか無茶し放題やーの大緩和、すぐさま内規でお縛りと混迷を極めた00年代中盤という時代性もあろう、人気の『海物語』にあやかって二匹目三匹目のドジョウを追いかけるような台が多数発売されたのである。
こうなると逆にムーブメントとして機能し、時代を映す業界の潮流と呼べなくもないが、藤商事『CRドルフィンダイブ』、SANKYO『フィーバー美ら島』、西陣の『CR海です』など名前からもうギャグにしてしまっているパターンもあった。
なかでも笑ってしまったのはニューギンで、『CRおさかな天国』『CR超激海』と度重なる確信的犯行に及び、話題と人気と顧客を獲得しようと営業戦略を立てるような傍若無人の振る舞いを見せたりもしたのである。
海なぞり台の歴史はこのへんで終わりにするが、それにしても『南国育ち』シリーズの方向性に対する舵切りの鋭角さには脱帽である。
しかも、『海』オマージュ一辺倒ではなく、『海』を強く意識しながら吉岡美穂を起用するシュールなマシン『CRミスティックブルー』の印象もそこはかとなく感じてしまう非常に入り組んだ状況になっているのである。
その一方で、スペックはあくまで独自性を貫き、スーパー小当りRUSHを搭載した確変突入時の期待出玉約5400個と「ヤれるスペック」に仕上げている芸達者ぶり。
よくよく見れば、電チュー抽選時の95%が1500発出玉となっていて、性能面では尖った出玉性能とデカパトによる大当り告知音が脳天を撃ち抜く『南国育ち』仕様となっているのである。
確変継続率こそ55%と平凡ながら、確変50%で不可解な連チャンを何度もさせている『海物語』を知っているからこそ、数値には表れない爆発を期待してしまうのである。もしかすると『海物語』インスパイアもその一撃性を意識させるための長い前フリ、伏線だったのかもしれない。
奥が深いぞ『キュインぱちんこ 南国育ち デカパトver.』!
(文=大森町男)
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