パチンコに「波紋」を呼んだ「大型タイアップ」機！歴史の黒船か、時代の徒花か…

　その演出は導入当初、各方面で激論が展開されていました。特に、俎上にあがったのが「ガセ演出の多さ」。赤系予告が複合してもリーチにすらならないパターンもあるなど、多くの打ち手に神経戦を挑むスタイルはネットでも話題に。

　でも、これは「『浜崎あゆみ』というひとりの少女が、夢にたどり着くまでのストーリーを描いた」んです。つまり、デジタルの向こう側に芸能界が投影されていて、そこはまがい物（ガセ）ばかりだということのメタファーとして機能しているんです。要するに、本物（大当り）はなかなか掴めないということを表現しているんですね。

　ただ、本物＝大当りを掴めば成功（確変）が待っている。ヒット曲のLIVE映像が展開する華やかな世界で名声と人気と声援を一身に浴びることができる。そういう構成で、『浜崎あゆみ』とその半生を表現した、パチンコという箱を媒介にした“ドラマ”なんですよ。

　もう一度、こういった外連味のある機知の効いたパチンコ台を打ちたいものです。

（文＝大森町男）