パチンコ「第5の表示方式」。「あの名機」も「コレ」になってた!?
昭和の初めに誕生し、娯楽の王様として庶民のレジャーを支えた自動球遊機、いわゆるパチンコは一世紀近く続いてきたその歴史の中で時代とともに飛躍的な進化を遂げてきた。釘と電チューしかない盤面に打ち手自ら1発ずつ玉を込めて打っていたのが、今では筐体のてっぺんから黄色い女の子が飛び出しているのである。
ただ、現代パチンコの根幹をなす「演出」については、機器としての基本的な概要がほとんど変化していない。多数化、複雑化しようとも液晶ディスプレイは液晶ディスプレイだし、7セグメントディスプレイは7セグメントディスプレイだし、ドットマトリクスはドットマトリクスなのである。
液晶ディスプレイで7セグやドットのように表現することはあるが、本質的な構造や素材、ドットはLEDになったとか液晶の解像度があがったとか技術的な変容はあるにせよ、「演出」が劇的な変貌を遂げたようなことはないように思う。
しかし、ドラムマシンにおいては、明確に異なる素材を使用したパチンコ機が存在したのである。それが「ベルト式パチンコ」である。業界初となるベルト式はニューギンの『フルーツマシン2A』。ベルト、つまり布のようなものをドラムの代わりに動かしているので立体感のない平面的な図柄となっている。
ニューギンは『フルーツマシン2A』以降もベルト式マシンのリリースを続けたが、一般的な広がりを見せることなくひっそりとその第5の表示方式としての「ベルト」は消えていったのである。前世紀の末期の話である。
そのベルト式パチンコが突如としてパチンコシーンに蘇った。『CR幕末義人伝浪漫』である。この『CR幕末義人伝浪漫』は高尾初の甘デジ専用機として登場し、ベルト式を知らない比較的新しい層のファンに「ベルトってなんやねん」と驚きを与えたのである。
とはいえ、正直に告白すれば、ベルト式の優位性や明確な利点をロジカルに説明できない私の事情もあいまって、単純な物珍しさが先立ってしまうような印象もあるが、それでもやはりドラム式にはないぬるっとした動きであったり、よりアナログの風味を楽しめる表示方式ではあるだろう。
いや、ベルト式によるメリットを思い出した。役物の併用である。ドラム機は構造上、表示範囲内に大掛かりな役物を搭載することが難しいが、平面で駆動できるベルト式であれば、図柄の前に巨大役物を可動させることが可能となる。これによってドラム式にはない表現方法をプレイヤーに提示でき、演出に幅や深みを与えることができるのである。
しかしながら、二度目となるベルト式パチンコも後が続かず、『CR幕末義人伝浪漫』とベルト式パチンコ第二弾となった『CR占星少女ななみ』が登場した2015年からはその存在を目撃できなくなってしまった。
かつてインタビュー記事で読んだことがあるのだが、じつは初代『CR花の慶次』はベルト式で開発されていたらしい。結局お蔵入りして「幻の第一弾」となったようだが、初代『慶次』がベルト式で登場していれば、いろいろと歴史が変わっていたであろう。
そういった意味でもベルト式パチンコは非常にユニークな存在なのである。
(文=大森町男)
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