甘デジ人気の一翼を担った「100%ST」マシン! ハイレベルな「演出・役物」でファンを魅了したCR黄金期の名機
2005年、東京証券取引所の出来高がバブル時を上回る勢いをみせるなど好況に沸いた。
同年9月に行われた衆院選挙の与党圧勝の結果を受けた影響や個人投資家によるインターネット取引の急増など様々な要因があるが、この株や投資は現代社会における「トレジャーハント」のような存在といえるかもしれない。
一攫千金。楽して稼ぐ。アメリカンドリーム。圧倒的な金銭の獲得は成功であり、それを望む人間は多い。したがって、「ゴールドラッシュ」のような夢物語は題材としてよく用いられ、動くことのない日常を生きる人々に希望と慰みを与えるのである。
『CR黄金ハンター』もこのようなテーマで作られたパチンコ機で、見習いハンターの「ショコラ」と相棒「タルト」が世界の宝を目指して奮闘する冒険活劇な内容となっている。
ノーマルリーチ停止後に画面奥からやってくるセスナ機が中図柄を吹き飛ばすとスーパー発展。飛行機から飛び降りパラシュートで大当り図柄への着地を目指すリーチやトロッコに乗り、敵より先に黄金を目指すリーチなどシンプルゆえにアツくなれる演出が豊富に用意されている。
そんな演出のなかでポイントとなるのが「黄金エンブレム」と「ラッキーメダル」。黄金エンブレムは金貨を模した巨大な落下役物で、デジタル回転直後やリーチ発生時などに作動すれば信頼度が大幅にアップする激アツ演出である。
一方のラッキーメダルはデジタル変動中のさまざまなポイントで画面に出現するチャンスアイテムで、数が増えるほど期待度が増す役割を持ち、最大となる10枚を貯めると先の黄金エンブレムが落下し、その時点で大当りが濃厚となる。
そして、大当りを獲得した際にはラウンド中にLINDBERGの「今すぐKiss Me」が流れ、プレイヤーに高揚感を与えるのである。90年代に大ヒットを放ったJ-POPの大名曲は月9ドラマの主題歌にもなっているもので、ある年齢より上の層には胸アツのナンバーなのである。
この一見モチーフやテーマと関係ないJ-POPの名曲を大当りラウンドで聞かせる手法の第一人者的な機種といえよう。
ところで、本機には大当り確率が1/453.7となるMAXタイプからミドル、ライトミドルとさまざまなスペックの機種が用意されていたが、特に人気を博したのが甘デジタイプの『CR黄金ハンターSTF』となる。
機種名に「ST」が組み込まれていることからもわかるように次回ループタイプだったほかの兄弟機とは異なり、突入率100%で5回転継続するSTシステムを採用。甘デジというジャンルをメジャーなのものにした奥村だけに、完成度の高い機種であった。
この初代のヒットにより、『CR黄金ハンター~伝説のいちごソード』『ぱちんこCRマジカルハンター』とシリーズ化され、奥村の中核を担うコンテンツとしてファンに愛された。
願わくば、『華牌』のようにどこか受け継ぐメーカーが出現してくれないものだろうか。
(文=大森町男)
<著者プロフィール>
羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。
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