パチンコ暗黒時代に燦然と輝いた名機…コミカル&多彩な演出でファンを魅了!!
パチンコ界に深く刻み込まれた負の歴史「5回リミッター」。これまでのCR機がもたらした爆裂スペックの数々を考えれば、確変が最高でも5回しか続かないとはまさに悪夢の仕様と恨み言をぶつけたくなるのもわかる。
しかし、実際にそれほど「暗黒の時代」だったのだろうか。もちろん、多少なりとも影響があっただろうが、かつての権利物や一発台も残っている状況であったし、まだまだ羽根物も健在でデジパチ以外の多様性はわりと確保されていた。
さらに、そういった状況面もさることながら5回リミッターとして登場した機種でも面白いマシンは相当数生み出されたのである。その筆頭は『CRルパン三世』になるだろうが、総じてタイアップの力を利用した演出的に完成度の高いものが多く登場したのである。
そのなかの1台、『CRがきデカ』は多彩なデジタルアクションや演出法則、豊富なプレミアムパターンで人気を博した5回リミッターの名機。当時メーカーとしては2番手、3番手集団をウロウロするマイナーなサンセイR&Dが放ったスマッシュヒットマシンとなる。
【注目記事】
■パチンコ「6万5000発」を1時間余りで吐き出す悪魔が降臨…今年9月の新台を振り返る
■パチスロ「名機復刻版」の注目要素は特定REG出現率!ユニメモ解放条件も判明!!
「お祈りタヌキリーチ」や「八丈島のキョンリーチ」「アフリカ象リーチ」などギャグ全開のスーパーリーチは、二段階に発展すればどのパターンでもそこそこ期待できる。わかりやすさと、変に煽ったり変動を長引かせたりしないスマートさが魅力。外れた後にこまわり君が無表情でお茶を飲む演出もプレイヤーの心理を表現しているようで好感が持てた。
また本機は豊富な兄弟機を持つという特徴も。CR版と現金機が3つずつの計6タイプと充実のラインナップ。CR機のほうは大当り確率が1/337の『3』『7』の2つに1/359の『5』とハイミドルタイプが揃う。
一方の現金機は大当り確率が1/245.5の『G2』、大当り確率が1/221.5の『J』と『H』の3タイプで大当り後の時短回数に違いがある。
ちなみに本機は中図柄にこまわり君の顔を「LUCKY」の文字が表示されたオールマイティ図柄を搭載し、CR機ではこの図柄が停止した場合は通常大当り、数字の3つ揃いは確変となっているが、現金機では後者が時短回数優遇図柄となっていた。
もちろんCR機は確変1/2で5回リミッター。出玉が約2000発以上取れるとはいえ、大当り確率も低めでスペック的にはやはり厳しい面もあるが、それでも支持されたのである。スペックや出玉性能を言い訳にできない時代、よりシビアにより真剣にパチンコに向き合っていたのではないだろうか。
スペック面では申し分のない今のパチンコ機ではあるが、この時代から学ぶことも多いと感じるのである。
(文=大森町男)
<著者プロフィール>
羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。