パチンコ「13万発」すら射程に捉えた鬼スペック！ 最大3000発がループする仕組みを解説

　ハイスピード×ハイループと人気を二分する3000発出玉を搭載したマシン。1回で最大の出玉を獲得できる大当りを簡単に獲得できるうえにそれがループする一撃必殺の性能がファンを魅了している。

　大都技研から登場した『P Re:ゼロから始める異世界生活 鬼がかりver.』は初回大当りで必ず1500発以上の出玉を確保し、さらに大当りの25％が3000発となるRUSHが77％でループする規格外の出玉性能を持つ。「終日13万発」の出玉データが浮上するなど、並外れた爆発力で多くのファンを魅了している。

　そんな本機は、システム面でも当初から「仕組みがすごい」と言われていた。では、何がすごいのか。規定の上限となる1500発以上の出玉（外見上そう見せている）を獲得できるマシンの代表格『Pフィーバーゴルゴ13 疾風ver.』や『P真・暴れん坊将軍 双撃』との比較も交えて掘り下げてみよう。

　まず、3000発の先駆け『ゴルゴ疾風』は通常の特図2抽選で展開するシステムで、時短の有無と残保留の仕掛けによって2回の大当りとループ性を生み出した。

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　特図2の大当り確率は約1/1.7。時短100回が付与されるとほぼ次回大当りが約束される。そして残保留で1/1.7（60％の大当り割合）を引き当てると再び時短100回＋残保留1個。これで3000発（大当り2回）と連チャンモードループ。残保留を外した場合は大当り1回1500発でモード終了となる。

　この仕組みの弱点としては、セットとなる大当りの間でわずかではあるがタイムラグが生じるところにある。特図2大当り確率は超高確率（1/1.7）とはいえ、数回転の変動時間を要するので「1つの大当り」として見せる際に少し違和感を持たれてしまう。

　それにこの仕組み、要は「3000発＝確変」「1500発＝通常」という従来のループ確変のフローを超短縮形にしただけという見せ方を変えたような手法で、1つの大当りというよりは大当りワンセットのようなニュアンスである。

　それを解消したのが『P真・暴れん坊将軍 双撃』。特図2を1/1に設定し、ループ性の部分に普通図柄抽選を採用。普通図柄が当選することで電チューが開き特図2入賞＝大当りというシステムである。

　特図2を2個貯めれば大当り2発が約束され、確率ほぼ1/1なので大当り間のつなぎ目もほとんど発生しない。美しい形での「1つの大当り」を見せることができるのである。そして、100回転で次の大当りを狙う連チャンモードとしての展開も組み込まれているので、『ゴルゴ疾風』からゲーム性が大幅に向上した。

　そして『ゴルゴ疾風』と『暴れん坊双撃』を融合させたような機種が『P Re:ゼロから始める異世界生活 鬼がかりver.』なのである。初回大当りから3000発出玉を実装しながら3000発以外の大当りでもモードループの可能性が存在。まさに鬼のような出玉性能を実現した。

　では、本機はどのような仕組みでこのゲーム性を可能にしているか。まず初当りの55％で獲得できる「鬼がかり3000BONUS」に当選すると1500発の大当りと電チューが開放する時短に突入するが、『暴れん坊双撃』システムでは初回から即連による3000発を成立させられない。

　そこで本機が目をつけたのが「特電作動口」という機能である。これは図柄の当選なしに入賞するとアタッカーを開放させることができるもので、特電作動口に入賞すると小当り→大当りと繋がる。

　先の「3000BONUS」獲得時に発動する時短は『暴れん坊双撃』と同じ普通図柄抽選の時短で、普通図柄に当選するとこの特電作動口への入賞が容易になり、これによって2回目の大当り1500発を獲得できるのである。

　また、すぐに2回目の大当りを発生させるために普通図柄の当選確率は1/1となっており、間断なく3000発の出玉を獲得できるようになっている。しかし、ここで疑問が生じよう。普通図柄の確率が1/1なら『暴れん坊双撃』のようなST風のモードにできないではないか、と。

　その秘密は……、まだまだ説明することがたくさんあるので次回へ。最強クラスの鬼出玉性能を生み出す連チャンの仕組みに迫る。

（文=大森町男）

<著者プロフィール>

　羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。