パチンコ「圧倒的すぎる出玉性能」で一気に超ヒット作へ！ ライトミドルでも「右ALL16Ｒ」を実現した爆裂タイトル!!

パチンコ機種の活躍で原作が人気に!?

　2000年代後半、パチンコ界に彗星のごとく現れ、瞬く間にホールを席巻していった伝説の名機が存在する。一応、タイアップマシンではあったが、原作のほうは世間的にまったくの無名といっても過言ではない。

　つまり、版権の力ではなく純粋にパチンコ機としての魅力によってファンを魅了し爆発的な人気を獲得、そのまま大きな流行を生み出すこととなった。その機種の名は『CR牙狼』である。

　機械的な持ち味としては、高い継続率とボリュームのある出玉がかつてないスピードで吐き出される連チャンの迫力と爆発力にある。82％ループで右打ち中の大当りはすべて15ラウンド約1800発、1種2種混合タイプという当時では珍しい仕組みによって大当りの即連モードを実現した。

　このように『牙狼』といえば爆発性、出玉力がトレードマークで、のちに続くシリーズ機も基本的にその時々における最高最大の性能を積んだフルスペック、つまりマックスタイプやミドルタイプがメインとなる。

　ただ、その初期にはライトミドルタイプを展開していた。連チャン力や『牙狼』のゲーム性自体を手軽に楽しんでもらうという趣旨である。そこで登場したのが『CR牙狼～RED REQUIEM～ZZ』になる。

　大当り確率が1/199.8で突入率50％継続率82％の「魔戒RUSH」を搭載され、ホラーバトルの興奮が味わえるゲーム性となっているが、メインの大当りが8ラウンド約560発で、最大出玉となる16ラウンド約1280発が12％ほどの振り分けと出玉的には少々物足りないものであった。

ライトミドルでも「右ALL16Ｒ」を実現

　そこで次に登場したライトミドルタイプ『CR牙狼FINAL‐ZZI・Y』では出玉容量を改善。右打ち中はすべての大当りで16ラウンド約1450発を獲得できる『牙狼』のダイナミズムを打ち出したマシンである。

　その分、連チャンモードとなる「真魔戒RUSH」の継続率は約70％と若干低めに抑えられている。しかし、ファンの間ではおおむね好意的に受け取られ、『牙狼』のライトミドルタイプでは本機を推す声が多い。

　その後、ライトミドルタイプとして『CR牙狼復刻版XX』や『P牙狼コレクション』などがリリースされたが、規制や規則改正といった時代の波に飲まれたこともあり、充分な価値を示せずにこの金看板タイトルにそぐう評価を獲得するに至らなかった。

　フルスペックでこそ真価を発揮する『牙狼』であるが、ライトミドルタイプでも『CR牙狼FINAL‐ZZI・Y』という名機が存在する。ただ、P機の出玉性能を鑑みれば、それ以上の『牙狼』ライトミドルが今後登場する余地が大いに残されている。ライトミドルファンとしてはそこに期待したい。

（文=大森町男）
<著者プロフィール>
　羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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