パチンコ「三重オールナイト営業」で起きた8万円事件!!

　ハロウィンの季節がやってくる。日本は、いつからこんなにハロウィン好きになったのだろう。仮装をして渋谷を練り歩くのは、世界中から人が集まるほどの定番行事になりつつあるし、この時期のパチンコホールの中だって店員が恥ずかしげもなく仮装をしている。

　かくいう私も仕事でチャイナドレスから女教師などとコスプレをさせられた事もあるので他人事ではなく、「仕事だから仕方ないよね、頑張って…」と心の中で話しかけている松戸檸檬です。どうもこんにちは。

　ハロウィンが終わると、あっという間にクリスマス、年末が控えている。あと約二ヶ月で今年が終わるなんて早いなーと思うのと同時に頭を過るのは「三重県のオールナイトがあるなぁ」だ。長年、パチンコ・スロットを打っている人なら知らない人はいない毎年恒例のイベントである。行く行かないに関係なく、なぜか頭に浮かんでしまう行事なのだ。

ゾロ目の日に並ぶ…いやそれ以上に心躍るイベント

　パチンコホールの営業時間は店舗所在地の管轄の警察署によって異なり、深夜営業がオーケーだったり、三重県のようにぶっ通しで40時間営業をしているホールもある。これは大晦日から元旦にかけて初詣をする参拝客に駐車場やトイレを貸すために営業しているとか色々と言われている。まぁ、本当に参拝客が利用しているかは分からないが、パチンコ・スロット好きからすれば、ゾロ目の日に並ぶ…いやそれ以上に心躍るイベントなのである。

　私も勿論、何度か打ちに行った事がある。ただ、ある時を境に懲りた。

　そもそも三重のオールナイトは勝つとか負けるとかよりも雰囲気を味わう所な気がする。大晦日の夜から打ち始めて、閉店時間も過ぎても打っていると、なんだかいけないことをしている気持ちになってワクワクした。店内には時計があるわけもなく、今は一体何時なのか時間が分かりづらい中、とにかくカウントダウンまで、元旦を迎える頃には一度当てたかった。

　しかし、そこはミドルスペック。空気を読まず、ノーヒットで明けましておめでとうだった（カウントダウンはお店のアナウンスで知った）。
今はどうなのか知らないが、ホールによっては振る舞い年越しそば、甘酒、お餅なんてのもあった。私の場合はカウントダウンの後にお年賀と熨斗がついた缶コーヒーが配られたっけ。

　きっと、徹夜で打ち続けるユーザーへの配慮なのだろう。確かに深夜2時を回った頃には当るまで粘っているのと眠いのに我慢して打っているという変な気分になった。ノンストップで好きなだけ思う存分に打てるという夢のような時間も、疲れと眠気には勝てない。

　外に出てみると周辺は真っ暗でしんと静まり返っているのに、店内はパチンコやスロットで煌々と輝いていて、なんともアンバランスだった。世界は眠っているのに、ここだけポツンと取り残されていて、離れ小島に来てしまったかのような感覚すらある。

　助けが来るまで(同行者が帰ろうと言うまで)この島から抜け出す事は出来ないのだ。外の寒さで目を覚まし、再び打つのを繰り返し、負債を重ねていった。

「8万円事件」を境に理性が働いている

　近くのビジネスホテルを押さえたのにも関わらず、明け方まで打っていたので、ホテルでシャワーを浴びてからチェックアウトをした。眠すぎて朝ごはんも食べる気にならず、お財布の中から消えた8万円と引き換えに疲労感だけが残った。

　しかし、私は若かった。最後の力を振り絞り、地元に帰ってから、朝9時オープンのホールへ向かった。そして、8万円捲った。そう、プラスマイナスゼロ。あんなに疲れて、8万を使って8万を取り戻した。雰囲気を楽しむにはハード過ぎた。

　年末になると「オールナイトがあるなぁ」とそわそわしてたけれど、8万円事件を境に理性が働いている。今は気軽に行けない場所に住んでいるからなのもあるかもしれない。もしも近くに住んでいたら、きっと懲りずに行くと思う。気になる方は一生に一度は参加してみるといい。その際はすぐに移動できる手段（車や宿泊先）を用意しておくのをオススメする。