某有名パチンコ店の“看板機種”にまで成長! 老舗メーカー往年の名機を回想

 老舗パチンコメーカー「マルホン工業」は、数年前に厳しい経営状況からようやく脱しました。ここ最近は、『P天龍』『P鳳凰』シリーズなどでクルーンを使用した役モノパチンコを中心に発表しており、その真逆の液晶デジパチなどをリリースせず、堅実な道を進んでいます。

マルホンが誇る液晶搭載パチンコ

 同社の真骨頂は、なんといっても「ドットデジタル」です。その開発チームには「ドット職人」と呼ばれる人が存在する、と以前同社の人からお聞きしたことがあります。いずれまた当サイトでも取り上げる予定ですが、ドットなのに液晶画面のような滑らかさと鮮明さには定評がありました。

 ただ、そんな同社もかつては液晶付きのデジパチをリリースしており、記憶に残る名機も数多く存在しています。中でも1995年に発表された『CRスパークシュート』は、手持ちの予算がなかったにも関わらず“爆連”してくれた救いの台でした。

 スペックは、この当時に多く発表された「確変突入率3分の1」「以後2回ループ」のCR機として登場。大当り確率は3段階設定付で、設定1で351分の1,設定2で377分の1、設定3で395分の1です。1回分の出玉は約2,300発でした。

 同機のモチーフはサッカーで、特にタイアップではなくオリジナル機種でした。リーチもオーソドックスなものばかりです。仕組み的にはリーチとなって複数回以上回転していけば、ロングリーチやスーパーリーチへ発展します。発展する前には、絵柄変動下にチアガールが1人や2人と描かれるようになります。スーパーリーチは、ゴールポストに向かってシュートするシーンのみです。1回目だけよりも2回目に発展すれば激アツでした。

当時では珍しい「おまけ機能」が連チャンをアシスト

 同機が魅力的だったのは、2回ループ終了後に「時短50回」のおまけ付だったのです。当時の基準機では、そのおまけがある機種は存在していませんでした。この付近で大人気の機種だった、1994年発表の『CR黄門ちゃま2』(平和)などに時短はなかったのです。『スパークシュート』のような時短搭載機が増え始めたのは、たしか翌年1996年発表の『CR大工の源さん』(三洋)や『CRモンスターハウス』(竹屋)以降だったと思います。

 この時短50回の存在は貴重で、引き戻しによる連チャンも期待できました。その引き戻し期待度は決して高くはないですが、引き戻したときに確変絵柄だった場合はプラス3箱以上の出玉が確定するので、一撃の出玉感も十分でした。

ドル箱の山が積まれた『CRスパークシュート』の島

 そんな夢のような同機が、メイン機種の位置づけで設置していたパチンコ店がありました。同店は都内某主要ターミナル駅近くに店を構えていて、奇しくも「平成7年7月7日」にグランドオープン。そのパチンコ店は数年前にクローズしてしまいましたが、誰もが知っているはずの名店でした。

 同店は自社ビルではなくテナント内のパチンコ店で、間取りは当時としては珍しい多層階フロア。総台数は1千台以上と超大型店として有名でした。メインの入口が2階だったのですが、目の前に飛び込んできた光景はドル箱の山が積まれた『CRスパークシュート』の島でした。目立ったところの設置でしたので、いつも同店に来るたびに箱を積んでいるイメージで、同店の看板機種にまで成長しました。

 冒頭でも触れましたが、同社は直近で液晶デジパチの開発や発表は行なっていません。どのメーカーにもいえるのですが、パチンコ機の開発には莫大な費用が掛かるようです。現在はアナログ寄りのゲーム性ですが、いつの日にかまた同社の液晶デジパチを打ってみたいものです。

四本コーヒー店

パチンコ好きが高じて異業種から転職し、長年パチンコ店の一般正社員としてホール現場を見てきた。単にパチンコを打つだけでなく、新規グランドオープンなどの市場調査やレトロ台探訪、のめり込み防止のための依存症考察など様々な遊技関連を日夜追っかけている変態パチンカー。そのため、大御所ライターや遊技機メーカーや周辺機器の幹部、他ホール法人の幹部などとの交流がある。ちなみに「四本」の読み仮名は(よんほん)ではなく(よつもと)である。

Twitter:@4444coffee

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