遠征先の東京で感じたパチンコの地域格差【アニマルかつみの銀玉回顧録 Vol.010】
アニマルかつみの銀玉回顧録 Vol.010
平成の世が始まって半年が経過した。春先に強力な新ドラマーが加入したバンド「R」の活動は順調で、すでに数回、東京への遠征ライヴも果たしていた。
遠征の際は、ホテルに泊まるお金も無かったので、必然的に誰かの家に転がり込むことになるのだが、自分は他のメンバーとは別行動で、練馬区は桜台駅そばのアパートが定宿となっていた。
前年秋の、「R」での初めての東京遠征ライヴ。その時に知り合った女の子と、いわゆる遠距離恋愛の仲になっていたのである。
さて、アパートのそばには、小さなパチンコ店が2軒あって、延泊して数日間滞在した時などに、ちょいちょい遊んだ。ただ、関西のパチンコ店との慣習の違いには、当初かなりの戸惑いを感じた。
他の店はどうだったか覚えていないが、その2軒の場合、ハネモノの打ち止め個数が3千個と定められていた。関西は4千個すなわち2.5円交換で1万円がデフォルトだったので、まずはそこで「東京はせこいなぁ」と感じた。さらには、打ち止めの定義が関西とはまるで違っていたことに驚かされた。
その日は、平和のハネモノ『プラトーンⅡ』を打っていたのだが、早々にV入賞を果たすや快調に大当りを重ね、あれよあれよという間に箱(800玉ほど入る小箱)2杯がいっぱいになった。

…と、その時である。騒々しい自動アナウンスの声が店内に鳴り響き、初老の店員がフダを手にやってきて、こう告げた。
「お客さん、終わりですよー」
頭の中が「?」でいっぱいになった。台にデカデカと「打ち止め3000個」と書いてあるのに、まだ持ち玉はその半分ちょっと。にもかかわらず「終わり」とは、いったいどういうことなんだ。
「悪いね。前のお客さんが、2箱持っていったんだよ」
つまり、ひとりの客が出した玉数ではなく、その台が出したトータルの玉数で打ち止めとなるシステムだったのである。少なくとも自分が知る限り、関西ではこのようなことは絶対にありえない。これにはもう、驚きを通り越し憤りさえも覚えた。
景品買取所がわかりづらく、また総じて遠いことにも戸惑った。
三店方式の発祥の地である大阪を始め関西では、だいたい店と同じ建物の裏側とかに小さな窓口があったり、駐車場の片隅に小屋があったりするものだが、いまのような景品流通システムが確立される前の東京は、店ごとにバラバラで本当に面倒この上なかった。
池袋のサンシャイン通りの店でのことである。何を打ったかは覚えていないが、まぁまぁ出して、まぁまぁ大量の特殊景品を手にした。が、いかんせん初めての店なので買取所がわからない。
「これ、どこ?」
教えてくれて当然のものと思いながら、忙しそうに次の客の対応をするカウンタ嬢に尋ねてみた。ところが、彼女は怪訝そうな顔で、ぶっけらぼうにこう返してきた。
「教えられないので、他のお客さんに聞いてください」
またしても、頭の中が「?」でいっぱいになった。食い下がったところでどうにもならないだろうから、景品カウンタそばの出入り口から店の外に出て、景品を手に出てきた客のあとをついて行くことにした。
距離にして、500メートルくらいは歩いたか。人混みで溢れる雑踏から薄暗い路地裏に入ったところの古ぼけた雑居ビルに、先客は入っていった。
しばらく待っていると、先客が札を数えながら出てきたので、入れ替わるようにビルに足を踏み入れた。すると、階段横の空きスペースを仕切ったところに小窓があった。
おそるおそるトレイの上に景品を置く。すると、中の人が「すっ」と引き下げ、しばらくののちお金が乗ったトレイが「すっ」と出てきた。きわめて機械的なやりとりだった。
別にやましいことをしているわけでもないのに、なんだかやましい気分にさせられてしまった。そそくさとその場を去り、辻々に立つ呼び込みのお兄さん方をかわしながら、滞在先の桜台のアパートに戻った
その後も、渋谷や新宿といった東京の繁華街で打つたびに、買取所を探し求めて路頭に迷うことがあって、「東京って、ほんま面倒な街やなぁ」と思うことしきりであった。
そんなわけで次回も、バンドの遠征で東京を訪れた際に、パチンコ店で経験したことなどを綴ってみたい。

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