廃業を迎えそうなメーカーは西陣だけでない? 「残念な流れはこの先も…」業界のご意見番が“パチンコの未来”を危惧
去る3月1日、老舗パチンコメーカーの西陣が廃業を発表した。このショッキングな出来事は大々的に取り上げられ、検索サイトのニュース欄でもヘッドラインに並んだほど。多くの業界関係者もSNS上で悲しみを露わにし、ベテランライターの大崎一万発氏も自身のYouTube「まんぱつ」内の動画にて、その思いを語っている。
「西陣の超絶黄金期」を回想
これによると、大崎氏はパチンコを始めて1番最初に「好き!このメーカー!!」と感じたのが西陣だったそうで、「80年代半ばからCR機に至るまでの7~8年は、西陣の超絶黄金期だった」と回想。西陣と言えば「なにを置いても羽根モノ」とし、「1番最初に思い付くのは…」と切り出した後、1985年発売の『レッドライオン』の名を挙げた。
この『レッドライオン』は「販売台数4~50万台」を記録したそうで、「どこに行ってもあった」と大崎氏。役モノのクセ、或いはそのクセを利用した釘調整などを見破ることによる、「アナログ遊技であるパチンコの勝ち方・攻め方というのを教えてもらった」のが当機だったそうだ。
続けて、大崎氏は1989年発売の『魔界組』、『桃太郎』、『赤兵衛』などに加えて、サメの動きに合わせて玉が横移動する1990年発売の『おジョーズランド』、釘調整よりもクセの方が出玉に影響した1989年発売の『RX-5』などもピックアップ。「いずれもめちゃくちゃ打った」とし、「当時の大当り音を覚えている」機種も複数あるという。
その後、羽根モノからデジパチの時代へ移ると、同社は1992年に『花鳥風月』、1993年に『春一番』などをリリース。大崎氏は1998年発売の『花らんまん』が好きだったそうで、「なんで連チャンするか、よう分からん」「ガイドでは多分、その中身を追求しきらんかった」とゲーム性を振り返った。
廃業に関して「驚きはない」
そんな中、最も有名なマシンとして取り上げたのが『CR花満開』。このスマッシュヒットを経て同社はSANKYO・平和と並ぶ3大メーカーにまで成長したものの、大崎氏自身、「90年代半ばから今まで、打ち込んだ台が全然ない…」とし、「なんやろうね、この凋落っぷりは」「特にここ10年くらいはパッとしない立場になった」と続けた。
この低迷について、大崎氏は「『花満開』をシリーズとして上手く育てられなかったのがデカかった」と分析。メーカーとしては「和風の美麗液晶でゲーム性を再現しようとしていた」そうだが、タイアップブームの中でオリジナル版権はイマイチ注目されず、「じわじわと埋没していって今の形になってしまったのかな」と嘆いた。
一方で、大崎氏はこの廃業に関して「驚きはない」と告白し、ほかにも合併や廃業をするかもしれないメーカーが「思い浮かぶ」とも。「小さいメーカーさんでも存在価値を発揮して皆さまを楽しませる多様性がパチンコ台のラインアップの良さ」としたが、「大手メーカーさん以外の台は要らない」「欲しいけど、買えない」といったホールが少しずつ増えていることから、「もしかすると、この嫌な流れ、残念な流れはこの先も止まらないような気がする」とパチンコの未来を危惧した。
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