パチンコ・パチスロ業界による「返済を求めない」奨学金。2024年度募集を開始

パチンコ・パチスロ業界による「返済を求めない」奨学金

　　一般社団法人パチンコ・パチスロ奨学金は10月5日より、返済を求めない独自の給付型奨学金制度「pp奨学金(パチンコ・パチスロ奨学金)」の2024年度募集を開始した（募集期間は11月15日まで）。

　PP奨学金とは、かねてより積極的に社会貢献活動を推進してきたパチンコ・パチスロ業界が、2016年にいち早く奨学金の問題に着目し、「社会福祉法人さぽうと21」の協力を得て設立。2021年度までで延べ161名に対して総額7,602万円を給付した。

　現在は、この実績をもとに一般社団法人パチンコ・パチスロ奨学金を設立。事業を引き継いで運営している。

　pp奨学金には「募玉募金が奨学金の原資」「給付生に寄り添う奨学金」「応募資格に学校や学部、学科等の指定はなし」「選考には貧困度や成績に加えて、将来の目標やビジョンを明確に持っているかを重視」という、4つの特徴がある。

　まず、募玉募金が奨学金の原資となる点についてはパチンコ・パチスロ各店に設置の「募玉募金箱」に客が「募金」ならぬ「募玉」した端玉(余玉)を原則、パチンコ玉1玉4円、コイン1枚20円に換算して各店が一般社団法人に寄付。いわばパチンコ・パチスロ業界が、パチンコ愛好家の全員と困窮する学生たちとを繋ぐ架け橋となっている。

　給付生に寄り添う奨学金という点に関しては、単に奨学金を給付するだけではなく、給付生との日頃のコミュニケーションを大切にしているとのこと。応募資格に学校や学部、学科等の指定はなし、選考には貧困度や成績に加えて、将来の目標やビジョンを明確に持っているかを重視という点については、その文言通り、大半の奨学金が学校や学部、学科の指定を設ける中で、そのような制限をせずに「夢」や「ビジョン」を明確に持っている給付希望者をサポートしている。

　昨今、貧困のために学業の継続を困難とする学生が増えている。1970年代から続く学費の値上げ、1990年代後半以降の非正規雇用者の激増、新型コロナ禍の影響による失業者の増加などを背景に、現在は日本の大学に通う学生の半数以上が奨学金を利用。その約3分の1が日本学生支援機構の公的な奨学金で、こういった奨学金のほとんどは「貸与型」、つまり借金であることから、返済に苦しむ延納者、滞納者は年々増え続けているという。

　一方、pp奨学金は冒頭で述べた通り、返済を求めない給付型奨学金制度だ。パチンコ・パチスロ業界には、積極的に未来ある若者たちを支援し続けていただきたいものである。