【新台】現代パチンコにくすぶる課題を一挙に解決!? 「回る・出まくる」未来志向型マシン

• 目次
• 「回らない」「出ない」「楽しめない」を一挙に解決？
• 本機のキモは「出ない」ではなく「楽しめない」の解決にある
• 今のパチンコ問題を解決できる答えとして様々な可能性がある

　さまざまな技術を駆使し、スペックやゲーム性に何度となく改革をもたらせた藤商事がパチンコ業界の問題に本気で取り組み、出した答えが本機、『P貞子』です。

「回らない」「出ない」「楽しめない」問題を一挙に解決？

　メーカー公式では「パチンコに対する不満」を、（１）回らない、（2）出ない、（3）楽しめないとして、本機にはそれぞれの要素を解決するような工夫やアイデアが盛り込まれているとアピールしています。

「回らない」に対しては2倍のサイズのあるBIGスタートを搭載、「出ない」不満は出玉期待値約12572発のラッキートリガーで、それぞれ対応しています。最後の「楽しめない」については後述します。

　スペックは、大当り確率が1/201で、RUSH突入率が約60％、継続率が約73％です。また、初当り時は最低でも3000発の出玉が保証され、RUSH中も50％で1500発or3000発プラスアルファのボリューム感。

　さらにラッキートリガー突入時は3000発をベースに、4500発、6000発、7500発以上と大量出玉を獲得できるような出玉構成となっています。

本機のキモは「出ない」ではなく「楽しめない」の解決にある

　こうやってスペックを確認すると、「出る」に特化したような仕様に感じるでしょう。ライトミドルの確率でRUSH突入時は大当りの半分でラッキートリガーの恩恵を受けられ、その半分が4500発以上の出玉。驚異的な出玉性能です。

　このように出玉特化の一面が強調されるような内容ですが、しかし、本機のキモは「出ない」ではなく、「楽しめない」の解決にあると考えています。

　公式の「楽しめない」についての対策として“演出”を示唆していますが、そんないかにも上辺だけを取り繕ったポーズのような要素が本機の本質ではないのです。この機種はゲーム性にこそ真価が発揮されているといっても過言ではありません。

　本機は大当りするまでに3つのステップが存在します。まず、ヘソ入賞時は次のプロセスとなる「祠チャレンジ」の抽選が、約1/39の確率で行われています。当選時は祠チャレンジ図柄が停止します。

「祠チャレンジ」は、ヘソに入賞した当該の玉が使用される役物を使った演出になります。ヘソ入賞に玉がいったん内部のポケットに留まり、祠チャレンジ図柄停止時に左側にある回転体へリリース。回転体にある2つの赤枠穴にうまく入ると最終段階の挑戦権を獲得できるといった流れです。

　赤ポケットに入った玉は、回転体の下で左右に動くSポケットへの入賞を目指します。Sポケットへの入賞確率は約1/2。赤枠穴もSポケットへの入賞もタイミングが重要です。

　このSポケットに入賞すると液晶で「呪縛ジャッジ」が発生。従来のパチンコ演出が展開しますが、高確率でスーパーリーチまでの発展が約束される変動になっています。予告やリーチによって期待度が変化しますが、「呪縛ジャッジ」での図柄揃い確率は1/17と激アツです。

今のパチンコ問題を解決できる答えとして様々な可能性がある

　このように大当りまでのプロセスが3段階になっていますが、こうすることで、パチンコの持つ「億劫」や「すぐ飽きる」、「虚無の時間」をかなりの部分で排除しやすくなりそうじゃないですか。

　本機のゲーム性は、タイパ、コスパを重視する現代の潮流に対して、短いスパンで違う局面を提示するやり方です。

　これまでのパチンコが決められた枠に合わせて用意する「テレビ的」な手法、あるいは自分の見せたいものを長尺で見せる「映画的」なものであるならば、この『P貞子』は短い間隔で端的に要所を押さえて次々にいろんなものを展開させる「TikTok的」なアプローチといえるでしょう。

『P貞子』のゲーム性は、大当りまで長い時間をかけて見せられた「テレビ的」な感覚だったものが、気づいたら大当りまでの時間が過ぎていた、とユーザーの意識を変えられる、今風のコンテンツに再編成したものなのです。

　そして、この仕組みを『貞子』という藤商事のトップコンテンツで登場させたことも偉業であり、本気度が垣間見えるというものです。その勇気と信念は称賛に値する素晴らしいものではないでしょうか。

　もちろん、『P貞子』が完成形ではないと思います。個人的には、そんなに出玉はいらないので、祠チャレンジ発生確率や呪縛ジャッジ成功確率をそれぞれ半分くらいにして、より前のめりになれる機会を増やしてほしいみたいな感想もありますし。

　出玉を変えないならプロセスを4つに増やすアイデアもあるでしょうが、無理ゲー感が高くなるかもしれないという懸念もあります。あるいは、段階段階で500発とかある程度の出玉を獲得できて、全部突破すると1500発でさらにRUSHに入ってみたいなこともできたりするのでしょうか？

　今のパチンコの問題を解決できる答えとしていろいろ可能性を感じますし、本機を次世代パチンコにおけるベースのひとつとし、さまざまに改良を重ねながら完成度を高めていけば、未来が開けていくのではないかと大いに期待するところです。