パチンコ店「出玉規制」あざ笑う”店舗数”の拡大…… 地方中心に「新規出店」地域特有の「特徴」にある秘密が
相次ぐ出玉規制により、店舗数の減少が止まらないパチンコホール。最盛期の平成7年頃は1万8000店舗以上も存在していたパチンコ店だが、現在は全盛期の約1/2に当たる9600店舗以下だ。
また、一般社団法人全国遊技ビジネス振興会(全遊振)が開催した、「第6期第2回セミナー」では「2020年には9000店舗を下回る可能性も十分にある」との発言もあり、まさに斜陽産業といえるだろう。
しかし、減少の一途を辿るなか、店舗数を拡大し続けるパチンコ店もあるようだ。「遊技通信」(遊技通信社)3月号で特集されている「話題のホール」でその詳細が記載されている。
記事によれば、「D’STATION」をチェーン展開するNEXUS株式会社は、昨年末に福岡・長崎地区に12店舗をオープン。また、仙台や兵庫にも新規店を出店しグループ店舗数は58店に増加。出店攻勢を強めているという。
また、2015年に香港証券取引所で株式上場を果たしたニラクは昨年12月、茨城県常陸市にグループ56店舗目となる新規店をオープン。その周辺では5店舗のパチンコ店が営業しており、市内における新規出店は13年ぶりとのことだ。
全国に店舗数を拡大、競合地域にあえて踏み込むなど出玉規制の影響をもろともしない、活発な動きに驚く人も多いはずだ。
そして、これらの動きにはある「共通点」が存在している。
「地方を中心にした新規店のオープンが目立っています。首都圏・主要都市に比べ広大な土地が残っていること、建設・維持費などの経費が安く済ませられることは大きいですよね。
大型店舗が当たり前となった今、駐車場などを含めると広範囲の敷地が必要ですし、土地代も多く掛かるはず。主要都市より比較的安価な地方に建設した方がリスクは少ないでしょう」(記者)
業界が衰退している今、「経費を如何に抑えられるか」がこの先を生き抜くための大きな課題となる。それが、地方をメインに新たな店舗を出店することなのか。
また、この地方に集中する傾向には、ある”特徴”も大きく関係しているようだ。
「過疎化が進む地方ですが、『人口10万人』に対してのパチンコ店は他地域よりも多いんですよ。鹿児島県を例に挙げると、県の総人口は約170万人、平成28年度のパチンコ店舗数は245店で人口10万人当たりのパチンコ店は『約14店舗』です。
一方、首都圏に含まれる千葉県の場合、人口は約600万人、パチンコ店舗数は451店で同じく10万人当たりのホール数を計算すると『約7.5店舗』と鹿児島県の約1/2。明らかに少ないことが分かります。もちろん、人口と店舗数が必ずしも比例するわけではありません。ただ、人口の少なさに対してパチンコ店がそれだけある、ということは需要があるに違いないです。
また、鳥取県では人口10万人当たりの店舗数は『約12店』と、地方でも特に海に面している地域は軒並み多いですね。『県民性』も関係しているかもしれないです」(同)
年々店舗数が減少していく一方で、地方を中心にした新規出店が目立つパチンコホール。県民性が関係しているかどうか定かではないが、これらの特性がある以上、これからも地方への店舗拡大は増え続けるだろう。
(文=編集部)
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