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パチスロ「累計販売台数23万台!! 4号機の方向性を決定づけた怪物マシン」~4号機名機伝説~ 『ニューパルサー』前編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.75】

パチスロ「累計販売台数23万台!! 4号機の方向性を決定づけた怪物マシン」~4号機名機伝説~ 『ニューパルサー』前編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.75】の画像1 昔もいまも、パチスロの王道として幅広い層から支持されているのが、かつてはAタイプと呼ばれた、ボーナスのみで出玉を増やすシンプルかつオーソドックスな仕様のマシンである。

 5号機以降、そのジャンルでは北電子の『ジャグラー』シリーズと、パイオニアの『ハナハナ』シリーズが二大勢力として圧倒的なシェアを誇っていることは、もはや周知の事実であるわけだが、もうひとつ忘れてはならない「王者」がいる。山佐の『パルサー』シリーズだ。

 その系譜を遡ると、1980年にリリースされた史上初の箱型スロット『パチスロパルサー』に辿り着く。

 同作は尚球社(現・岡崎産業)が製造、日活興業(現・NET)が販売を担ったマシン。厳密には山佐のマシンではないが、企画・開発には山佐グループの総帥で技術者の佐野慎一氏が関わっていた。

 1985年に1号機体制に移行すると、山佐は正式にメーカーとして業界に参入。自社ブランドとして『プラネット』を、そして日活興業へのOEM製品として『パルサーXX』をリリースする。

 両機種が搭載した「打ち手を選ばぬオーソドックスな仕様とスペック」と「テーブル式リール制御による多彩な出目」は、いわゆる「山佐スタイル」として同社のマシンのひな形となり、『パルサー』の名とともに長きにわたり受け継がれてゆくのであった。

…と、前置きが大変長くなってしまったが、そんな伝統あるネーミングを冠した同社の4号機第1弾が、1993年春にリリースされた『ニューパルサー』である。

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 仕様は、言うまでもなく伝統を受け継いだオーソドックスなAタイプなのだが、ビッグ絵柄に従来からの赤い「7」に加えて、緑色の「カエル」が採用され、表面上のBR比率が2:1になったことは、古くからのファンを驚かせた。

 ちなみに、ビッグは揃えた絵柄でファンファーレが異なり、「カエル」の場合は「ゲコゲコ」と鳴き声が聞こえるところが、当時としては斬新な試みだった。

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 スペックは、低設定では表面上の比率に即したビッグ偏向型、設定が高くなるに従いREG比率が上がり連チャン期待度も高まる…といった確率設計。

 まぁ、正直なところ数値的には特筆すべき点もなく、Aタイプとしてはごくごく標準的なスペックなわけだが、これもまた『パルサーの伝統』といったところだろう。

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 一方、ゲームの要とも言える多彩な出目演出についても、当然のことながらシリーズの伝統を色濃く継承。

 3種類のボーナス絵柄が山型やV字型、L字型といった特定のラインに並ぶ「山佐型」を中心に、2リール確定目や小役ハズレ型、チェリー付きハサミ目などなど、その総数は千数百にものぼる。

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 FM音源の採用によりサウンドの品質が格段に向上するなど、最新4号機ならではの新機軸も盛り込まれたが、トータルでは良くも悪くも「いままでの山佐のマシンと、ほとんど変わらない」というのが、当時の『ニューパルサー』に対する大方の反応だった。

 実際、パチスロ必勝ガイドでも当初は、同時期にユニバーサル系メーシー販売からリリースされた史上初のBタイプ機『トロピカーナ』の方が扱いが大きかったし、『ニューパルサー』の担当を任された自分自身、「変わり映えしないし、なんだかなぁ…」というのが正直なところだった。

 しかし、結果的には奇をてらわず頑なに伝統を重んじたことが、市場での成功に結びついた。

 打ち手にとっては、「いままでと変わらない」ことで、抵抗なく安心して打つことができる。運用する側であるホールにしても、従来機と大差のないスタンダードな仕様とスペックは、使い勝手がよく重宝する。

 そんな『ニューパルサー』は、たちまち引く手あまたの大人気となり、最終的には累計販売台数23万台という、パチスロ史上最大のメガヒットとなった。

 そんな、偉大なる初代の登場から28年。その間、数々の続編がリリースされ、シンボル絵柄の「カエル」は山佐のマスコットとしてファンの間に広く浸透した。

 5号機以降は、例の「光りモノ」の二大巨頭に大きく水をあけられている状況だが、この先の6号機時代、かつてのような市場での圧倒的な存在感を取り戻してほしいものである。

 次回は、はるばる神戸まで出向いての初実戦でのエピソードや、人気機種ならではの様々な「噂」について、つづってみたい。

(文=アニマルかつみ)

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