パチンコ店「1日の売上は僅か数万円」か？それでも廃業しない奇跡

「1日の売上は僅か数万円」？それでも廃業しない奇跡のホール

　これは平成初期の地元に存在した、ある閑散としたパチンコ店…ではなく、現在もバリバリ営業中のちょっと不思議なホールのお話。

　閉店廃業に歯止めのきかない昨今のパチンコ店だが、昔からお客さんは少ないのに不思議と潰れないホールというのが皆さんの周りにも存在したと思う。

　そういったホールは他の系列店が繁盛していたり、パチンコ店とは別の業種で補っているというのが大半だろう。私の知人にもパチンコ店はイマイチだが、不動産業が絶好調でパチンコ店を維持しているという法人も存在する。

　そこには例え赤字になろうともパチンコ店を営業するだけの、外部には知りえないメリットが存在する場合もあるだろう。しかし、地元の「あるホール」だけは全くの謎だ。　

設備も設置されている遊技機にも文句なし

　そこは繁華街に佇む200台未満で系列店もない単独のホールだが、昼間に覗こうが夜に覗こうが稼働はほぼなし。運が良ければ1台か2台稼働している場面に出会えるが、その可能性は限りなく低い。

　それもパチンコ店が本格的に厳しくなってきた「ここ数年」という話ではなく、記憶する限りでも10年以上前からそのような状態なのだ。かといって、店舗内外装が古い訳ではない。店内の設備もそれなりに充実している。

　設置されている遊技機にも文句なし。それなりの店でもシマ内の所々に抜け台個所があり、ポスター等で埋めているホールも少なくないというのに、そのホールには抜け個所などないのである。

　6号機の『アイムジャグラーEX』は勿論のこと、『マイジャグラーV』や『ファンキージャグラー2』までバッチリ揃っておりコーナー化。最近では新台リリース時には導入のなかった『押忍！番長ZERO』や『アラジンAクラシック』までラインナップに加わった。

　もちろんパチンコも同様で、小台数ではあるものの『P Re:ゼロから始める異世界生活 鬼がかりver.』や『パチンコ新世紀エヴァンゲリオン～未来への咆哮～』といった人気機種を取り揃えているのだ。

　他にも人気の機種は導入されているし、それらは全て新台リリース時よりも価格の上昇している機種ばかり。もちろん最新機種も積極的に導入している。

業界人に『七不思議のひとつ』とまでいわれる奇跡のホール

　私自身も弱小店とはいえ店長経験者だ。店舗規模と稼働を見ればある程度の数字くらいは想像できるが、そのホールが経営として成り立っていないのは明白。　それは「パチンコ業に携わっていない素人が見ても分かるだろう」というレベルだ。

　他に本業があるのは間違いがないだろうが、そこまでして営業するメリットがあるのかと流石に理解し難いものがある。そういった裏事情にも詳しい知人の業界人に聞いても「あそこだけは本当に分からん」とのこと。

　たまに近所を通るたびに怖いもの見たさのような心境で覗いてみるのだが、客の姿を見かけることは稀だ。

　割と稼働しているように見えたホールでも、突然閉店廃業してしまうような昨今。　地元のパチンコ業界人にも『七不思議のひとつ』とまでいわれる奇跡のホール〇〇。

　果たしていつまで営業していくのだろうか…そのホールからすれば大きなお世話でしかないのだろうが、単純に興味は尽きない。

（文＝オーハナB）
<著者プロフィール>
　元ホール店員、店長経験者。パチンコ店の裏側で起きた出来事や、人間関係を題材にしたコラムを担当している。過去に話題になった業界ネタなど、時代背景を感じる記事も作成中。自身の思い入れのあるシリーズの動向にも熱い視線を注ぐ。

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