「次世代遊技機」特需？ パチンコ関連企業の多くが大幅増収増益

多くの企業が大幅増収増益「次世代遊技機」特需？

　5月上旬から下旬にかけて、多くの企業が2023年3月期の決算を発表した。

　終息こそしていないものの、コロナ禍が明けたことで経済が回復。株価へも影響を及ぼす中、とりわけ投資家たちの注目を集めたのがパチンコ関連企業だ。

　周知の通り、パチンコ業界は昨年11月よりスマート遊技機への移行を開始した。これによって周辺設備の更新需要がアップ。専用ユニットなどを扱う企業が大幅増収・増益を発表したからである。

　まず、アミューズメント関連事業や自動認識システム関連事業、ホテル・レストラン事業などを手掛けるマースホールディングは、2023年3月期の売上高が前年同期比34.7％増の203億4,600万円で、営業利益は同161.4％増の41億2,600万円、経常利益は同89.0％増の47億3,000万円、純利益は同69.5％増の31億4,400万円。当初は売上高が185億円、営業利益は28億円、経常利益は32億円、純利益は20億円の予想だったが、上方修正した格好だ。

　パチンコホール向けコンピューターシステムの開発・製造・販売や、パチンコ遊技機の表示・制御ユニット及びパチスロ遊技機の開発・製造・販売など行うダイコク電機は、2023年3月期の売上高が前年同期比30.5％増の318億2,400万円で、営業利益は同237.4％の40億1,900万円、経常利益は同211.5％増の42億6,000万円、純利益は同138.2％増の29億2,700万円。決算説明資料によると、ホールコンピューターのシステムアップやカードユニット、大型液晶呼び出しランプなどの販売や各種サービスを取り扱う情報システム事業の売上高が、前年比75億6,200万円増の262億900万円に達したという。
　　　
　パチンコホール機器事業や不動産賃貸業を主たる事業とするオーイズミは、2023年3月期の売上高が前年同期比68.0％増の181億2,700万円、営業利益は同96.7％増の11億9,200万円、経常利益は同11億8,400万円、純利益は同334.7％増の16億9,100万円。スマート遊技機への対応が遅れたことでパチスロ機の販売が計画には届かなかったものの、スマート遊技機用ユニットの販売が好調に推移した。

スマスロはもとより、スマパチの人気も高まれば…

　メーカーに目を向けても、SANKYOは2023年3月期の売上高が前年同期比85.4％増の1,572億9,600万円で、営業利益は同174.1％増の585億3,200万円、経常利益は同166.6％増の593億4,100万円、純利益は同153.9％増の468億9,300万円。『Pフィーバーからくりサーカス』や『Pゴジラ対エヴァンゲリオン～G細胞覚醒』などパチンコ機も多くの機種がヒットした一方、同社のスマスロ第1弾『パチスロ 革命機ヴァルヴレイヴ』も1万9,968台を販売し、業績に大きく貢献した。

　平和はゴルフ事業を含めた2023年3月期の売上高が前年同期比17.1％増の1,422億9,000万円で、営業利益は同162.9％増の269億500万円、経常利益は同154.4％増の266億3,100万円、純利益は843.1％増の206億8,500万円。コスト減少による増益もあるが、パチンコ・パチスロ機は計13タイトルで12万6,894台を販売し、このうちスマスロ『Lバキ 強くなりたくば喰らえ!!!!』は追加を含めて19,988台を占めた。

　4月にはサミーのスマスロ第1弾にして2023年上半期の大本命、『スマスロ北斗の拳』がデビューした。今なお絶賛高稼働中で、8月には新パネル「拳王(ラオウ)パネル」が登場予定だ。

　このままスマスロはもとより、スマパチの人気も高まれば、さらなる市場の活性化が見込める。今後の動向に注視したいところだ。