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パチスロ「2号機屈指のヒット作を見事に4号機で再現」~4号機名機伝説~オリンピア『ファイナルバニー』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.144】

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アニマルかつみの回胴青春時代Vol.144

 本連載の初期の頃に書いたと思うが、自分がパチスロを打ち始めたのは1989(平成元)年の夏。いまから34年も前のことである。

 当時は、従来からの1.5号機と前年の規則改正によって誕生した新しい2号機が混在していた時代。別の言い方をすれば、いままさに世代交代の真っ只中にあったわけだが、世の好景気もあって、どの店もパチスロのシマは熱気に溢れていたと記憶している。

 さて、そんな時代にあって、多くのファンを魅了し2号機屈指のヒットを記録したのが、オリンピアの『バニーガール』と、後継機の『スーパーバニーガール』である。

 当時としてはずば抜けて洗練されたデザイン、内部状態で継続ゲーム数が変化するフルーツ(小役の集中役)が生み出すナチュナルな荒波、そして…魅惑的な激アツ出目「ズレ目」などなど、「彼女」たちの魅力を挙げればキリがないのだが、個人的にも駆け出しの頃に暇さえあれば打ち込んでいた、非常に思い出深いマシンなのである。

 そんな、2号機屈指の名作の遺伝子を受け継ぎ4号機にリメイクしたのが、1997年春にリリースされた『ファイナルバニー』である。

■ファイナルバニー

パチスロ「2号機屈指のヒット作を見事に4号機で再現」~4号機名機伝説~オリンピア『ファイナルバニー』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.144】の画像2「妹バニー」こと『スーバニ』の再現をテーマとしていた本作。漆黒を基調としたシックなパネルでプレイヤーを誘うバニー嬢は、従来のイラストから外国人女性の実写へとグレードアップされ、よりゴージャスさが増しているが、「ちょっと生々しすぎるなぁ」という意見も当時は少なくなかった。

 仕様は、表面上のBR比率1:1のオーソドックスなAタイプ。リールに描かれた各絵柄は2号機のものを上手くデフォルメした意匠となっており、とにかくデザイン面では「オリジナルのムードを踏襲しつつ、時代の流れに即して見事にブラッシュアップされている」といった印象だ。

パチスロ「2号機屈指のヒット作を見事に4号機で再現」~4号機名機伝説~オリンピア『ファイナルバニー』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.144】の画像3 一方、スペックは、近代パチスロでは初となるブラックリールで話題と注目を集めた『ジョーカー』をおおむね踏襲。高交換率営業に配慮してか機械割は若干辛くなっているものの、全設定を通して合成確率が高めでボーナス連打への期待が膨らむ設計となっていた。

パチスロ「2号機屈指のヒット作を見事に4号機で再現」~4号機名機伝説~オリンピア『ファイナルバニー』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.144】の画像4 実際、導入直後に行われたホール実戦でも、ハイスペックの実力を遺憾なく発揮。導入直後ゆえの好条件を差し引いても、「じゃじゃ馬」と評された先代を彷彿とさせる高い連チャン性と荒波挙動には、誰もが「あのバニーが甦った!!」と歓喜させられたものである。

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 そんなゲームをアツく盛り上げる出目演出についても、当然のことながら先代の遺伝子が色濃く受け継がれている。…そう、「ズレ目」だ。

 本作のリール制御は、ボーナス非成立時のハズレ時には第2停止リールのテーブルに従って、必ず何かしらの絵柄をテンパイさせる仕組みとなっているのだが、ボーナスフラグが成立、もしくは引き込みの悪い小役を取りこぼした場合にはこれが崩れ、どの絵柄もテンパイしない「ズレ目」が停止するのである。

パチスロ「2号機屈指のヒット作を見事に4号機で再現」~4号機名機伝説~オリンピア『ファイナルバニー』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.144】の画像6 以上の「ズレ目」の発生メカニズムについては、2号機のものをそっくり受け継いだものなのだが、本作では新たに「第3停止リール制御」が加えられたことで、全リール停止時にリーチ目となる「ズレ目」なのか、小役の取りこぼしによるガセの「ズレ目」なのかが明白となった。

 たとえば順押しの場合は、左→中に「ズレ目」が停止し、なおかつ左→右でボーナス絵柄が対角に停止すれば、いずれも鉄板。一方、ハサミ打ちの場合も、左→右に「ズレ目」が停止し、なおかつ左→中でボーナス絵柄がテンパイすればリーチ目…といった寸法である。

パチスロ「2号機屈指のヒット作を見事に4号機で再現」~4号機名機伝説~オリンピア『ファイナルバニー』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.144】の画像7 その他にも、「2リールで鉄板となるズレ目」や、「スベリが決め手となるパターン」など、魅力的な出目も多々搭載。デザインやスペックのみならず、ゲーム演出の面でも先代から大幅にグレードアップした印象であった。

 ハイスペックが繰り出す高い連チャン性と荒波と、より魅惑度を増した「ズレ目」を搭載したオリンピア『バニー』シリーズの集大成、『ファイナルバニー』。

 4号機の規定によりフルーツが未搭載な点は致し方ないとしても、名機『スーバニ』の再現が徹底追求されたゲーム性は、「4号機で、よくぞここまでやってくれた」とファンを納得させるに充分なものであった。

アニマルかつみ

アニマルかつみ

兵庫県尼崎市出身。1992年春にパチスロ必勝ガイドのライターとなり、以来30年にわたってメディア人の立場から業界の変遷を見つめてきた大ベテラン。ぱちんこ・パチスロの歴史に関しては誰にも負けない博識を持つ。最近ではYouTube動画チャンネル「ぱち馬鹿」のメンバーとして、各種企画の制作や出演、生配信などにも精を出している。ライター稼業のかたわら、ロックバンドのベースプレイヤーとしても活動中。愛猫家。昭和レトロ好き。

Twitter:@anikatsu213

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