パチスロ史を塗り替えた伝説のマシン『サンダーV』についてちょっと解説させていただきます（後編）【ゴトロニの人生4コマスベリ】

「ぬ」の字フラッシュは残念ながらありませんでした

　そんな風（過去記事を参照）にカオスと化した雷神様のチャンス演出論争…じゃないんだよな、別に論争はしていなかったし。

■過去記事はこちらから
・パチスロ史を塗り替えた伝説のマシン『サンダーV』についてちょっと解説させていただきます（前編）【ゴトロニの人生4コマスベリ】

・パチスロ史を塗り替えた伝説のマシン『サンダーV』についてちょっと解説させていただきます（中編）【ゴトロニの人生4コマスベリ】

　まぁ、膨大なフラッシュと消灯や予告音の有無など無限の組合せパターン、そしてその対応役がありそうなサンダーＶのチャンス演出で極めて健全に盛り上がっていたわけですが、やがてフラッシュは「横一文字」「ナイアガラ」「ローリング」「Ｗ字」「闇Ｗ字」「五月雨」「Ｖ字」「落雷スペシャル」の8種、それに予告音の有無とリール消灯数が絡むものと解析により判明しました。ボーナス成立ゲームではそれらに伴うリール消灯数もかなり限定されるので、案外あっけない印象でしたっけねぇ。

　ただ、整理すると、一連のチャンス演出は非常に練られていて、プレイヤーの意識を誘導する方向がよく考えられていて、自分が認識している分には次のようになります。

①レバーONで予告音が鳴るか？　
鳴らなければ全役の可能性があり、リーチ目マシンとしてプレイせよ。
鳴ったらリプレイが消え、ボーナスの可能性がアップする！
以下、予告音が鳴った場合の導線。

②チェリーが止まったか？
ボーナス当選をゴールとした際、最大の関門になるのがココ。チェリー出現なら残念。
チェリーを否定し、なおかつリールが消灯していればチャンスアップ!!

②ベルなのかスイカなのか？
小役を全部フォローし、ベルがテンパイするのか、スイカがテンパイするのか、両方テンパイするのか、はたまた全部蹴ってノーテンなのか…緊張の瞬間。どのパターンでも最終的にリーチ目に発展することもアリ。

　秀逸なのがベルだと大体は残念な方と思いきや、2消灯だとベルは揃っても成立後ながらボーナスが成立しているサインなので、停止型によってはベル単独テンパイの方が嬉しいということも！

　そして、予告音と消灯が絡むとスイカの可能性も跳ね上がっているので、単純に偉いスイカの方がテンパイすれば良いというものではないところもマニアックさが高い面白ポイント。ベルもスイカも小役高確率状態では跳ね上がるので、小役抽選状態を把握しておくと10倍面白くなる。

③小役が揃うのか、揃わないのか、フラッシュが発生するのか？
4号機なので小役が揃えば基本アウト。ゆえに何も揃わなかった時こそがアツい!! 3消灯で何も揃わずならフラッシュが無くてもボーナス確定でお得（別にお得じゃないけど）。

　といった感じで、リールを止めるごとに少しずつボーナスフラグを追い詰める、今では当たり前となっているチャンス演出の見せ方を、もうこの時点で確立していたんですね。予告音が鳴ったら、まず左リールのどこを狙うか…もうそこからセンスが問われる最高の一台だったと言えるでしょう。

　結局、1997年のデビューからみなし機撤去の際までお付き合いが続きました。

もしかすると欠点は欠点ではなかった？

　ついでに残念だったところも挙げておきましょう。

　これはもう、打ったことがある万人が一様に指摘すると思うのですが、その肝心要の「予告音が小さすぎ」ってのは間違いなくマイナスポイント。

　ただ、そこに関してはチャンス予告というもののノウハウが無かったゆえの失敗といったところでしょうか。演出はあくまでもサブポジションという意識が強ければ、予告音があれほど頼りにされるとは考えが及ばなかったはずです。

　これ、ホール側での調整も基本的にはいじれなかったようで、どこでも小さいままでしたっけね（稀に多少大きく鳴るホールもあったけど）。なので、パチスロが進化したように、こちら側も進化するしかありませんでした。

　雷神様の予告音は聞くのではなく、感じるように。その工夫を凝らした結果、「ブホブホ♪」と鳴った音の振動を感じるという結論に至るわけです。

　ちなみに、スピーカーに手を近づけていると察知は案外簡単。さらに、これもまた慣れてしまうと無意識のうちに振動が分かってくるようになるもので、人間って不思議だなぁと思うのでありました。

　まぁ、その後『DJ』というエレコ製の完コピ雷神様が登場し、そちらは予告音がこれでもかってくらいによく聞こえるボリュームになっているので、DJを打ってしまえば優勝!!

　…なはずなんですけど、やっぱりみんな雷神様の方に戻っていっちゃったんだよね。

　パチスロ打ちはこぞって保守的なのかマゾ変態なのか…色々と謎ですが、実は予告音をたまに聞き間違えるくらいがちょうど良かったのかもしれません。

　とかなんとか書きなぐっていたら、またもやかなり長くなってしまったのでこの辺で。ラストに私のサンダーVの超大好きな「アツゥい」目ベスト3を挙げてお別れしましょう。

☆１位

　ベルハズレ目。BR共通の超基本リーチ目です。予告音＋2消灯ならこの時点でボーナス確定となりお得！お得過ぎて怖いですね。

◎2位

　リプレイハズレでビッグ確定！つまり、予告音が鳴っているだけでもうビッグという「超お得」なリーチ目です。お得過ぎて怖いですね。この出目が一番って人も多いのではないでしょうか。

○3位

　これだけではドハズレもある出目。ただし、後付けで中リール中段にVが止まればおビッグ確定となります。

　なので、もちろん予告音＋2リール消灯なら…死んだと思わせておいてからの復活劇でお得！お得過ぎて怖いですね。

　あ、いずれも左リールの枠上はチェリーのあるVが条件。また、右リールはこの3パターン以外にも枠上V、枠上上V（右上段バー）、右中段Vが止まってもボーナスの可能性は残ります。

　本当に隙が無い…雷神様は恐ろしい台ですぜ。