「驚くほど回った機種」の昔語り【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第89話:フィーバーキングⅡ】

ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』
<目次>
■第89話 フィーバーキングⅡ
世の中に存在する全てのデジパチには「ボーダーライン」があります。これは、収支がプラスマイナス・ゼロになる分岐点を「千円あたりの回転数」で示した数値であり、基本的にボーダーが低い機種ほど基本スペックが甘いのだけど、その手の機種は釘確認シートの限界ギリギリまで締められるケースが多いため、現実的には甘い機種が必ずしも「勝てる機種or勝ちやすい機種」とは限りません。
もちろん、だからと言って「スペックが辛い機種の方が回るのか?」と問われれば、確実にそうだと言い切れないのが悲しいところですが、現在のような等価交換&無制限営業が主流になる前の時代(ようするに2.5円交換&ラッキーナンバー制営業)には、ボーダー超えの台がゴロゴロ…とまでは言わずとも、それなりに用意されていました。
そして、機種によってはほんの少し調整をしくじっただけで、とんでもなく回ってしまうような大事故につながる可能性もあったんです。
というわけで、今回は私が遭遇した「驚くほど回った機種」の昔語りをお届けします。
以下、本編。
■SANKYOのデジパチ『フィーバーキングⅡ』
SANKYOの現金デジパチ『フィーバーキングⅡ』がデビューしたのは、1992年の秋のことでした。大当り確率は現金機としてはやや低めの254分の1です(F・パワフルⅢや麻雀物語は240分の1でした)。
本機では、大当り後に保留玉の1~3個目が16分の1の確率で大当りに書き換えられるため、だいたい初当りの5回に1回くらいの割合(約18%)で保留玉連チャンが発生することになります。
従って、連チャン性能そのものはかなり控えめな印象なのですが、この機種で特筆すべきところは、ステージの個体差が無茶苦茶に大きかったことでした。ステージのクセが良い台は、ヘソはガチガチなのにブンブン回り…なんていうことが普通にあって、設置店の多くは釘調整に四苦八苦していたようです。

この当時、F・キングⅡの新装では千円あたり100個とか回る台が普通に置いてあり、今考えるとよくこんな回転率で営業が成り立っていたと思ったりもするのですが、私が通っていたお店は「7揃いの大当りのみ持ち玉遊技がOK。他の絵柄で大当りした場合は持ち玉も含めて全て交換」というルール、さらには2.5円交換という交換率の低さもあって(この頃は2.5円交換が一般的でした)、どうにか利益を出していたんでしょうね、たぶん。
当時、私は大分県でサラリーマンをやっていたのですが、仕事帰りにF・キングⅡを打つのが毎日の日課になってましてね。店側がステージの寄りで調整するようになるまで、新装から1ヶ月くらいはちょっとした小遣い稼ぎになってました。
■7個に1個程度の割合でヘソに入賞し続ける
でもってある時、夕方の6時くらいだったかな、いつもの店で適当なF・キングⅡに座って打ち始めたんですけど、これが今まで一度も体験したことがないような凄い回転率だったんです。
何がそんなに凄いのかって、上皿の玉がまるで減らないんですよ。この機種はヘソの賞球が7個戻しなんですけど、ステージのクセが驚くほど良くってね。どうやらステージに玉が複数乗ると勢いを殺すクセのある個体だったらしく、それに気づいてからは下手に止め打ちなどせず打ちっぱにしました。その結果、驚くことに打ち出した玉が7個に1個程度の割合でヘソに入賞し続けたんですよ。
そんなわけだから、初当りに約200回転ハマったけれど投資は5百円。これが運良く保留玉連チャンして、出玉を流すと約5千個(2.5円交換につき約12500円)。次も投資5百円で大当りを引き、これが保留玉連チャンやらタイムサービスやら(午後8時から先着5名まで大当り絵柄にかかわらず継続)、7揃いの大当りやらに恵まれて、交換ナンバーで流した出玉は12500個(約31000円)。
次は500回転チョイのハマリを喰らったんですけど、当然のことながら投資は500円で、大当り消化後の保留玉連チャンが発生した瞬間に「蛍の光」が流れました。
結局、この日の総投資はわずか1500円也。まさか夕方6時から打ち始めて55000円も勝つとは思いもしなかったんですけど、この日は都町(大分市にある飲み屋街)で回らない寿司をたらふく食べて帰宅しました。
回りすぎるパチンコで勝ったのだから、回らない寿司でシメるのが粋だ…なんて理由づけしてね。てゆーか、大当り時に発生する「キーン!」という効果音がしばらく耳に残って消えませんでした。
翌日、仕事帰りに同じ店に立ち寄ると、件のF・キングⅡは誰も打ってません。それで、もしもの据え置きを期待して座ってみたんですけどね。残念ながらステージの寄りを完膚なきまで叩かれて、千円20個の釘になっていました(風車を思い切り内側に叩かれていると理解するまで2千円も使っちゃいました)。
昨日はどうしてあんなに開いていたのか、なぜあんなお宝台が空き台だったのか…理由は謎ですけど、私が今まで打ったデジパチの中で最も回ったのは、この時の「玉が減らないF・キングⅡ」で間違いないです。
懐かしいなぁ…。
もう一度あの頃に戻れないかなぁ…。
などと、セピア色の思い出に浸りつつ、今回のコラムはこれにて終了。
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