パチスロ「史上初のパチスロを生んだ老舗メーカーが社名変更」~4号機名機伝説~1997年 新生ネットのデビュー作4機種 編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.146】
アニマルかつみの回胴青春時代Vol.146
沖スロ『チバリヨ』シリーズや、『スナイパイ71』などの技術介入マシンでファンの多い関西本拠のメーカー、ネット。
同社は元々、日活興業という社名で黎明期から回胴式遊技機業界に参入。尚球社(現在の岡崎産業)とタッグを組んで史上初の箱型スロット『パチスロパルサー』を世に送り出し、また1号機時代には山佐からOEM供給を受けリリースした『パルサーXX』シリーズを大ヒットさせるなど、数々の歴史的偉業を成し遂げてきた。
1990年リリースの2-2号機『ビッグバン』から自社開発体制にシフトし、3号機時代から4号機時代の初頭にかけて個性的なマシンを数多くリリースするのだが、1996年半ばに企業体制の刷新と社名変更を行い、いまに続くネットへと生まれ変わった。
そんなわけで今回は、1997年にリリースされた新生ネットのデビュー作4機種を、一挙にご紹介したい。
■バラクーダX
古代魚シーラカンスをキャラクタに据えた新生ネットの記念すべき第1弾は、旧・日活興業時代からの伝統を受け継ぐスタンダードなAタイプ機。
スペックは設定1でも268分の1という高確率ビッグをメインに、設定ごとにREGが大きく変動する確率設計。低設定域でもビッグの連打で大量獲得が期待できる仕様だった。
ちなみに、7枚交換のホールで導入直後に採取されたデータでは、100ゲーム以内のボーナス発生率が52%を記録するなど、日活興業時代の『ドラゴンエース』シリーズにも負けない連チャン性能を見せてくれた。
そんなアツいゲームを盛り上げてくれるのは、名機『スーパードラゴン』から受け継がれた多彩なリーチ目。
3種のリーチ目が特定の形に並ぶのが基本パターンだが、左リールのスベりだけでチャンスとなるパターンや、左→中で確定となるパターン、ボーナス絵柄と同時にテンパイしている小役が揃わなければ確定となるパターンなどなど、ほどよく多彩で味わい深いものであった。
なお、攻略要素については、通常時は小役補正機能が万全のため、執拗な小役目押しは効果ナシ。ビッグ中のリプレイハズシも、平均すると6枚程度の増加と効果は微少だった。
■ペンタゴン
大胆にもアメリカ合衆国国防総省の名を冠した本作。
筺体などハードウェアが完全一新され、MAX BET機能の搭載や、リール窓枠に境目の無い「ワイドスルースクリーン」を採用することで、プレイヤビリティは大幅に向上した。
仕様は、従来からの路線を受け継ぐスタンダードなAタイプ。スペックは前作『バラクーダX』をおおむね踏襲するが、表面上のBR比率が3:2になるなどバラエティ豊かな役構成になっているところが目新しい。
ハードウェアが一新され、役構成やリール配列も刷新された本作だが、ゲームを彩る出目演出は日活時代からの伝統を継承。多彩な停止出目のバリエーションの中に、スベリでキマるシンプルなパターンが絶妙に混在、プレイヤーを楽しませてくれた。
攻略要素については、通常時は例によって完全フリー打ちでOKだったが、ビッグ中のリプレイハズシは前作とは違って平均プラス約28枚と非常に効果的だった。
■ドラキュラ
4号機時代から5号機時代を通して、ネットの看板コンテンツとして高い人気を誇ってきた『十字架』シリーズ。本作は、そのルーツともいえるマシンである。
仕様は例によってスタンダードなAタイプだが、スペックについてはボーナス確率自体はそのままに機械割が辛めに設定されているのが特徴。これは、当時増加しつつあった高交換率営業に配慮したものだった。
いずれにしろ、辛めのスペックをカバーするためには、ビッグ中のリプレイハズシが必須。手順の難易度はさほど高くはなく、しかし効果は平均プラス約25枚と、先の『ペンタゴン』と同様に絶大だった。
■ネイバル802
役構成の上では先の2作と同じく表面上のBR比率3:2だが、「ビッグ中のJACゲームが最大2回のBタイプ機」であることが本作最大の特徴。さらにいうと、Bタイプ機でREGを搭載するのは、本作が史上初だった。
しかしながら、出玉獲得の主役はあくまでビッグ。例によって、一般的なAタイプ機よりもビッグの獲得枚数が少ない分、確率は激高となっており、高い連チャン性が期待できる仕様となっていた。
Bタイプのウィークポイントである出玉の少なさを補うためには、リプレイハズシによる枚数アップが不可欠。その効果は1回あたり約15枚だったが、ビッグ出現率が高い分、長い目でみた場合の効果は一般的なAタイプよりも大きなものとなった。
ゲームをアツく盛り上げるリーチ目は、先発のAタイプ機たちを踏襲。例によってスベリでキマるパターンも健在だったが、「通常は必ず3連となるチェリーが2連チェリーや単チェリーになればチャンス」という新たな法則が加わっている。
そんな感じで、やや駆け足気味であったが、1997年にリリースされた新生ネットのデビュー作4機種をご紹介させていただいた。
その後も同社は、アーバンなムード溢れるAタイプ機『ジュリアンS』や、『ネイバル802』のAタイプバージョンである『ネイバルソルジャーS』、スリル溢れる空中戦をモチーフにした『ドッグファイト』などなど、間髪置かず精力的に新作をリリース。開発能力の高さを強くアピールするのであった。
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