パチスロ「大阪の老舗メーカー・パイオニアの自然派パチスロ2作」~4号機名機伝説~『ベジタンV』『ブンブンブン』 編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.150】

パチスロ黎明期の1980年代初頭、高砂電器(→アビリット→コナミアミューズメント)とタッグを組んで業界に参入し、歴史に名を刻む数々の名機を送り出してきた大阪の老舗メーカー、パイオニア。
いまでこそ、「ハナハナ」シリーズなどハイビスカス告知搭載の沖スロで圧倒的なシェアを誇る同社だが、高砂電器との提携を解消して独自路線にシフトした2号機時代中期から4号機時代の初頭までは、いい意味でクセの強い台作りで一部のマニアからは支持を得たものの、セールス的には苦戦を強いられていた。
そんな同社が、ファン層の拡大を狙って大胆な試みに打って出たのは、1995年のこと。熱帯のジャングルとそこに住まう生き物たちをモチーフにカラフルな装いをまとって登場した『パラディ』シリーズは、どことなく古風で垢抜けなかった従来の同社のマシンのイメージを根底から覆し、好セールスを記録。
確かな手応えを得た同社は、あたかも上中下3枚のパネルをキャンバスに見立てたようなカラフルでアーティスティックなデザインの「自然派パチスロ」を、続々と市場に投入する。
■ベジタンV

1997年春にリリースされた『ベジタンV』は、文字どおり野菜がモチーフ。まるで青果市場のようににぎやかなパネルデザインはもとより、リールに描かれた絵柄も野菜のオンパレードで、注釈がなければどの絵柄が何の役なのかわからず、戸惑うことしきりだった。

仕様は、同社が得意とするスタンダードなAタイプ。トマトを模した赤い7と、「パンプ君」と名付けられた緑のカボチャがビッグ、尻餅をついたようなポーズがコミカルな紫のナスがREGとなっていた。
スペックも、同社の一連の流れをくむビッグ偏向型であったが、設定1でも264分の1というビッグ確率は当時のAタイプ機としては破格の高確率だった。

ゲーム面におけるセールスポイントは、『シティボーイⅡ』シリーズ(※第90回へのリンク)を継承・発展させた多彩なリーチ目。右リール中段をポイントにしてボーナス絵柄が変則的に並ぶパターンや、リプレイ絵柄のタマネギが小山型・小V字型に並ぶパターンが独創的だった。

技術介入要素については、ビッグ中はリプレイハズシによる枚数上乗せが可能。手順は簡単で効果は1回につき平均15枚増とまずまずだったが、ビッグ偏向型のスペックを考えると、長い目でみた破壊力は絶大だった。
■ブンブンブン

『ベジタンV』から半年後の97年9月にリリースされた『ブンブンブン』は、ミツバチやトンボといった空飛ぶ昆虫がモチーフ。
仕様はいうまでもなく同社の伝統であるオーソドックスなAタイプで、ボーナスはビッグ3種にREG4種と、にぎやかな構成。ちなみに、ビッグをハチで揃えると、「ブンブンブン、ハチが飛ぶ…」のメロディが流れるというニクい演出もあった。

ゲームを彩るパイオニア流大量リーチ目については、まず基本となるボーナス絵柄において、「右リールの上段7、中段トンボ、下段ハチがそれぞれ強力」という明確な法則性が存在。それらの代用としてチェリーが停止するパターンもあった。
また、『ベジタンV』を継承するリプレイが特定ラインに並ぶパターンや、中リール中段トンボやチェリーがカギとなるパターン、左リールだけでドキドキワクワクなパターンもあるなど、マニアも納得なバリエーションを誇った。

しかしながら、何をさておき本作最大の魅力となっていたのが、高い技術介入性。ビッグ中のリプレイハズシが対テキトー打ち比で30枚強の枚数上乗せが期待できたうえに、所定の手順を踏むことで全設定の看破が可能だったり…と、「喰える要素」が満点だったのである。
ユニークなモチーフと独創的かつ多彩な出目、そして高い技術介入性で、ライトユーザーからプロ志向のプレイヤーに至る幅広いファン層を魅了した、パイオニアの自然派パチスロ2作。
自然派志向を続ける同社は翌1998年、かわいらしい乳牛のキャラをフィーチャーした、その名も『プリティモー』をリリース。さらなるファン層の獲得を狙うのであった。

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