パチスロ「ジャグラー全6」で余裕の万枚オーバー!? 通常営業日に店長の○○発動!!

　パチスロを嗜むユーザーの方々が、ホールに高設定が投入されるのを期待する特定日。先日10月31日のハロウィンでは、『マジカルハロウィン～Trick or Treat!～』の設定6を求めて多くの人々が集まった店舗もあったようです。

　都内の某ホールでは、朝一の並びが1000名を超えたとのこと。ネット上では「設定6ツモ」などの歓喜の声や「ライバル多すぎて座れなかった」といった悲痛な叫びがあがるなど、大変な盛り上がりを見せておりました。

　ユーザー側が『マジカルハロウィン～Trick or Treat!～』が「全台設定6」となることを期待したわけですが、これと似たような現象を私はホール店員時代に体験したことがございます。

　数年前の5月5日（ジャグラーの日）。開店前の朝礼にて、店長が「今日はジャグラー全台設定6だから！」という衝撃の発表があったのでした。

　これは常連様から、5月5日に対して「ゴーゴーだから熱いんだろ？」「期待しているよ」といった期待する声が寄せられていたためです。お客様の意見を重要視する店長だったので、その期待に最大限に応えようとしたのでしょう。

　その日のジャグラーコーナーは終日フル稼働。ノーマルタイプとは思えないドル箱使用率で、中には5000枚を吐き出す台もありました。常連様の満足そうな笑顔は今でも忘れられません。

　そんな『ジャグラー』といえば、先日にシリーズ最新機種『マイジャグラーV』が発表され大きな話題となりました。筐体の中央部にあるGOGOランプが光ればボーナス確定というお馴染みのゲーム性はそのままに、新たな演出も多数追加されている模様。今後の活躍が期待される話題作です。

　ホールにとって『ジャグラー』シリーズの新台は、安定した稼働を見込める唯一無二の存在。その中でも高い人気を誇る『マイジャグラー』ということで、1台でも多く導入したいと考えているホールは多いと思います。

　私が勤めていたホールでも、過去作の『マイジャグラーⅢ』導入の際はかなり力を入れていました。「買えるだけ買った」といった状況で、地域最大級という謳い文句で大々的にアピール。新台入替初日は、常にフル稼働となるほど大盛況でした。

　これにより『ジャグラー』の人気の高さを再認識することとなったのですが…そんな同シリーズにおいて、実は先述した5月5日以外に「全台設定6」となったことがございました。

　私が勤めていたホールでは、基本的に店長は現場に出ることはありません。新台入替のスケジュールなどを組み立てたり、売上向上のための改善案を考えたりと事務所での作業がメインとなります。

　そのような状況の中で、当時の店長の業務スタイルはちょっと違いました。気まぐれ的に突如として現場に登場し、我々スタッフと共にホール巡回を行うことがあったのです。

　その理由は「スタッフの働きぶりを確認すると共に、お客様の意見を直接聞きたいから」とのこと。これまでは事務所で数字と睨めっこしているような店長ばかりだったので、その姿勢に多くのスタッフが尊敬の念を抱いておりました。

　そんな店長が、ある日いつものようにホールを巡回していると、『ジャグラー』コーナーの常連様に対し、思いつめたような顔をしていたのです。おそらく高設定だと思われる台に対する反応が、思っていたものと違ったのでしょう。

　たしかに、ボーナス合算確率が良好でも少しハマると「連チャンしないなあ」と言ってすぐに台移動してしまうお客様が多かった印象。年配のお客様も多かったので、設定の高低より連チャンを重視している傾向が強いように見受けられました。

「参ったなあ…」と頭を抱える店長は、次の日にとんでもない行動を実行。なんと、「今日のジャグラーは全台オススメです！自信を持ってご案内してください」という衝撃発言が飛び出したのです。

　まさか全6か？…。そんな言葉が頭に浮かびました。

　この日は旧イベント日でも何でもないただの平日。「一体どういうことだ？」とスタッフはザワつきだしたのです。その真意に関しては明かされませんでしたが、店長はお客様を第一に考える方。その思いが爆発しただけだったのかもしれません。

　この日の『ジャグラー』コーナーは、先述した5月5日と同様に出玉で溢れかえることに。次々に光るGOGOランプに、常連様も満足そうに遊技しておりました。そして“異変”に気付いた他のお客様が次第に集まり、最終的に平日とは思えぬ高稼働となったのです。

　その日のデータを確認してみると、『ジャグラー』の島はお客様側の大幅な黒字差玉となっておりました。全台トータルで「プラス2万枚」はゆうに超えていたと思います。あまりの凄まじい結果に、ホール責任者も「このデータを本社が見たら店長怒られるぞ」と不安の声をもらしておりました。

　実際に怒られたかは分かりませんが、常連様の笑顔を見ることができた店長は満足そうでした。豪快過ぎる店長の気まぐれ。それに衝撃を受けた忘れられないエピソードでございます。

（文=ミリオン銀次）

<著者プロフィール>
　ホール店員・雀荘店員といった職種を経験。それらを活かし、ライターとして活動中。特に力を入れているのはパチンコ・パチスロ分野で、自身の遊技体験やホール店員時代のエピソードを中心にしたコラムを執筆している。パチンコ・パチスロ歴は10年以上で「打ちたい台をトコトン打つ」がモットー。結果として、目も当てられない大敗を多く経験。「悲惨なエピソードも明るく紹介したい」といった拘りを持つ。

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