パチンコCR機ながら「ハマリ救済機能」搭載！“上”にいくほど大当り期待度がアップする個性派マシン!!

文＝大森町男

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　地方の均一化が叫ばれて久しい。国道沿いを車で走ればファミレス、ファーストフード、ファストファッションなどの多種多様だがおなじみのチェーン店が軒を並べ、どこの場所でも景色がさほど変わらずに、人が集まる場所といえば大型ショッピングセンターである。

　このモール型のショッピングセンターは地方に生きる人間にとって生活の共であり、憩いの場であり、レジャー施設になるが、一昔前においてこの役割を担っていたのが「デパート」となる。

　横に広い「モール」とは異なり、高層階建てのデパートは上下に移動ゲームにおける大ボスの住む塔のように上に行くほど夢が広がった。最上階にはレストラン街、屋上広場にはゲームセンターや大型遊具のある遊園地や遊び場などワクワクが詰まっていた。

　そんな幼少期の喜びをホールで体感できる機種が『CR上へまいりま～す』である。2002年にエース電研（aaa）から登場したこのマシンは、デパートを舞台にした異色のパチンコとなっている。

　ユニークなのはモチーフだけではない。前述したデパートの特徴をゲーム性に反映。上階にいくほど大当りの期待度が高くなる要素が盛り込まれているのである。また、経由するフロアが多いほど信頼度が高くなるようになっていて、最上階となる9F→屋上の発展系リーチより、8→9→屋上と発展していったほうがアツいのである。

　ちなみに、7Fはおもちゃ売り場（スローリーチ）、8Fは特設バーゲン会場（コマ送りリーチ）、9Fが家電フロア（マルチラインリーチ）、最上となる屋上は遊園地（追っかけリーチ）となっている。

　通常の背景画面がエスカレーターで、連続予告やチャンス演出などをはさんで上階に移動するとリーチに発展、という流れ。このような多彩な演出によって大当りを狙うのだが、本機には注目の演出機能が搭載されている。

　それがロトリーチケットシステム、LTSと呼ばれるもので「ハマリ救済機能」として活躍するのである。

　ノーマルリーチが外れると「補助券」がランダムに出現。この補助券を10枚ためると福引券に交換できるようになり、激アツの「大抽選会演出」に発展となる。この抽選会のくじ引きで1等を引き当てれば大当りとなるのである。

　ただ、このLTSは電サポ付与や確率変動などの特典は一切ないので、自力で大当りを引いた際の演出の一部として機能。現在の遊タイムとは似て非なるシステムなのである。

　スペックは次回大当りまで継続するループ確変タイプで、確変突入率は50％、確変終了後orすべての大当りで時短が100回付与される安定の王道型となっているが、大当り確率は1/359.5となるマックスタイプの『DX』『FX』、1/326.5のミドルタイプ『SX』、1/299.5の『JX』と4スペックが用意されていた。

　ユニークなゲーム性がファンから支持され、シリーズ機が第4弾まで展開。2000年代初頭から新規参入を果たしたエース電研における最大のヒット作と呼べるような代表マシンとなったのである。

（文=大森町男）

<著者プロフィール>

　羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。