パチスロ「ハードウェア大革命!! スタートレバーが無い!?」~3号機名機伝説『トライアンフ』編~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.60】
ハードウェアの観点から回胴式遊技機パチスロを見た場合、歴史上最大のエポックといえば、やはり1980年の史上初の箱型機『パチスロパルサー』の登場だろう。
それまで巨大かつ高価だったアップライト型筐体を、当時の最新技術を駆使してパチンコのシマに工事不要でそのまますっぽり収まるようようコンパクト化。価格も半分程度にまで抑えられたこともあって一気に導入が進み、広く普及していったのである。
その後、2号機になってメダルを50枚まで電子的に貯留することができるクレジット機能が搭載されたり、4号機の半ばにはサウンドやビジュアルの制御に特化したサブ基板の搭載が許可され、リールに代わって液晶ディスプレイが演出の要になるなど、パチスロのハードウェアは時代とともに大きな進化を遂げてゆく。
さて、前置きはこれくらいにして…と。『パチスロパルサー』ほどではないにしろ、ハードウェア面において「ちょっとした革命」を巻き起こし反響を呼んだマシンを、今回は取り上げてみたい。
箱型筐体になったのを機に、多くのマシンが向かって左側にスタートレバーを配した中、頑なに右レバーにこだわり続けたのが、いまはなき孤高のメーカー、タイヨーである。
第34回でも綴ったとおり同社は、1号機『ハイアップ』や後継の1.5号機『ハイアップターボ』に始まり、2号機の『ガルーダ』『ミラクルユーフォー』、そして3-1号機の『リスキーダック』に至るまで、独自の右レバー筐体を固持し続けた。
ところが、1992年の秋。ついに同社は、自らの手で長きわたって受け継がれた右レバー筐体に引導を渡し、ハードウェアの刷新に踏み切った。3-2号機『トライアンフ』である。
漆黒を基調に機種名のロゴが描かれた下パネルからは、ついつい英国の名門バイクメーカーを想起してしまうが、けしてコラボでもなんでもない。
そもそも、本機種においてもっとも注目すべきは、先述のとおり完全一新されたハードウェアだ。しかし、ただ一新されただけではない。なんと、「スタートレバーが無い」のである。
もちろん、パチスロ機ゆえにリールを始動させないことには遊技を開始することができないわけで、そのための装置はボタンに姿を変えて備えられている。
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