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「特殊景品のないパチスロ店」が人気量販店の中に存在した!?

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あの量販店ドン・キホーテの店内に「パチスロ専門店」が!? 

 今では当たり前となっている低貸しパチンコやパチスロ。1円パチンコが初めて登場したのは2006年といわれているが、それよりも一足早い2005年に低貸しである10円貸し専門のパチスロ店が存在したことをご存知だろうか。

 その第1号店は広島県にOPENした『お宝ハウスフルスロットル』といい、特殊景品がなく一般景品のみという業態。しかも店舗はディスカウントショップ全国チェーン『ドン・キホーテ』の店内にあったのだが、それだけに選べる景品の数はとても豊富だった。

 通常パチンコ店の一般景品は最低でも5品目・ 500種類以上(現物200種類・ 残りはカタログ商品でも可能)だが、それを遥かに上回る豊富な品揃え。ドン・キホーテならではの個性あふれる商品を、メダルで交換可能というのが大きな特徴だった。

1000円で100枚のメダル。その感覚は新鮮だった

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 まだ低貸しという概念すらなかった時代。『P-WORLD』にも店舗情報は掲載されていたのだが、私はその真相を確かめるべく広島に向かったのだった。

 店内に足を踏み入れると中々の盛況ぶり。パチスロは100台近くにもなり遊技客も5割はいただろうか。プロジェクターを使い壁面に映像が流れる演出は斬新で話題性も抜群だった。

 私も実際に遊技してみたが、1000円で100枚のメダルが貸し出される感覚は新鮮だったし、普通のパチンコ店にはなさそうな珍しいアイテムがびっしりと並んでいる景品コーナーは壮観だった。

 その後フルスロットルは石川県と長野県のドン・キホーテ店内にも出店したが、広島県も含む3店舗は全て新規OPENから1年余りで閉店。まだ4号機時代だったこともあり、大量のメダルを獲得した時は逆にそれがネックになった面はあるだろう。

 パチンコ店の景品価格上限は約1万円。例えば万枚クラスが出た時に1万円景品を20個も取るのは無理があったのではないだろうか。コンセプトはゲームセンターとパチンコ店の中間ということだったが、時代を先取りし過ぎたのか上手くいかなかったようだ。

 もし仮に成功していれば店舗は存続しただろうし、日本中のドン・キホーテにフルスロットルが出店している可能性もあったはず。もしそうなっていれば既存のパチンコ店に取って脅威になり得たのだろうか。

 その翌年には関東のチェーン店から1円パチンコが登場。当初は懐疑的な目を向けるパチンコ店も多かったが、時代の流れなのか徐々に1円パチンコを始めるホールは増えていく。更には5円スロットなども登場し徐々に浸透していったのだ。

 スマート遊技機の登場も間近ということで、色々とざわついているパチンコ業界。「パチンコ業界が復活するには低貸しからの脱却が必要」と述べる有名パチンコ系ブロガーもいるが…パチンコ業界はどこへ向かって行くのだろうか。

オーハナB

オーハナB

元ホール店員、店長経験者。パチンコ店の裏側で起きた出来事や、人間関係を題材にしたコラムを担当している。過去に話題になった業界ネタなど、時代背景を感じる記事も作成中。自身の思い入れのあるシリーズの動向にも熱い視線を注ぐ。

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